[イメージ画像]壊れたコンクリートブロック塀(※今回の地震被害とは関係ありません) (ペイレスイメージズ/アフロ)

 18日朝に大阪府北部で発生した震度6弱の地震では、死者3人のうち2人がブロック塀の倒壊で犠牲になったものでした。ブロック塀は、これまでも大きな地震のたびに犠牲者が出て、国が補強の促進や安全基準の順守を呼び掛けてきた経緯があります。ただ古いブロック塀は放置される傾向もあり、潜在的な危険が指摘されてきました。各地で地震が相次ぐ中、補強が不十分なブロック塀の危険性があらためて表面化しました。

【写真】大阪府北部の地震、「次の地震につながる可能性も」東北大・遠田晋次教授

1978年の宮城県沖地震で社会問題化

 今回の地震は大阪府で3人が死亡。死者のうち高槻市寿栄小学校の4年生の女児と大阪市の80歳の男性はいずれもブロック塀の倒壊で下敷きになるなどの犠牲になりました。

 ブロック塀の倒壊による事故は地震の際に起きやすく、かねてから問題視されてきました。1978(昭和53)年6月の「宮城県沖地震」では、ブロック塀や石の門柱などの下敷きになった死者が18人に上り、その対策への取り組みが宮城県にとどまらず広く迫られることとなりました。

 国は1970(昭和45)年に「建築基準法」施行令で、ブロック塀の構造などについて十分な安全を保つよう基準を提示。宮城県沖地震などでの被害を踏まえて、1981年には大幅改正され、現行の基準では、(1)ブロック塀は高さ2.2メートル以下とすること、(2)壁の厚さは15センチ以上(高さ2メートル以下の塀では10センチ以上)とすること、(3)壁の中に直径9ミリ以上の鉄筋を縦横に80センチ以下の間隔で配置すること――など細部にわたる補強策が定められています。

 さらに2000(平成12)年には建設省告示としてブロック塀の安全性を保つための構造計算の基準を定め、風圧、地震などに対して具体的な数値を示して設計者が順守するよう求めています。

 しかし、この基準以前に設置されたブロック塀も多く、補強の手が回らないケースや、基準を無視したブロック塀の設置が後を絶たず、地震などのたびに事故と犠牲者が出ていました。

 今回の地震でのブロック塀倒壊についても、専門家らからブロック塀の鉄筋の有無、塀の高さなどについて疑問点が出ているほか、調査を必要とするとの指摘もあります。地震が多発しているだけに、ブロック塀に対する新たな規制が必要か、古いブロック塀の撤去をどう進めるかなどが急がれる課題になりそうです。

 一方、ブロック塀の危険性をなくし、街の景観も改善するという一石二鳥の取り組みも。東京近郊や特別区などの自治体では、宮城県沖地震でのブロック塀倒壊をきっかけに家々の塀のあり方を見直し、重い石などの塀ではなく生垣化していく取り組みも進められ、費用の一部が助成されるなどの制度が広がっています。近隣住民との間に「壁」を置くのではなく、風通しの良い生垣で住民同士の「風通し」も良くしようとする試みが注目されてきました。


■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者・編集者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説