レッドブル・ホンダの誕生は日本のF1史にとって重大な意義がある。なぜレッドブルはホンダを選んだのか?(写真・ロイター/アフロ)

ホンダが19日、レッドブルに2019年から2年間に渡ってパワーユニット(PU)を供給すると、電撃発表した。
 これにより、ホンダは現在PUを供給しているトロロッソに加え、来シーズンから2チームにPUを供給することになった。これはホンダが2015年にF1に復帰して以降、初めてのことだ。
 今回の発表が日本のモータースポーツ史において、重要な意味を持つのは、レッドブルが今年も優勝しているトップチームのひとつだということだ。

 昨年までパートナーを組んでいたマクラーレンも古豪チームだったが、最後にタイトルを獲得したのは2008年。さらに2012年を最後に優勝からも遠ざかっていた。ホンダがマクラーレンと組んでF1に復帰することを発表した2013年からは、1度も表彰台の頂点に立っていなかった。

 その点、レッドブルは2010年から4連覇しただけでなく、タイトルを逃した2014年以降も15年を除いて、毎年勝利を挙げている現在進行形のトップチーム。その強豪とタッグを組むことは、ホンダだけでなく、日本のモータースポーツ界にとって、新しい時代の幕開けとなる可能性が高い。

 そんな強豪が、なぜ復帰後優勝どころか表彰台にも上がっていないホンダとタッグを組むのだろうか。それは復帰後3年間のホンダの成績低迷の理由が、必ずしもホンダだけにあったわけではないからだ。

 1週間前に終了したカナダGPがそのいい例だった。

 昨年から今年にかけてマクラーレンとトロロッソはPUをスワップする形で交換した。マクラーレン・ホンダは今年マクラーレン・ルノーに、トロロッソ・ルノーは今年トロロッソ・ホンダとなった。では、成績はどうだったか。

 昨年ホンダPUを搭載していたマクラーレンの予選最高位は12位(フェルナンド・アロンソ)だった。それがルノーPUを搭載した今年は、14位(アロンソ)に終わった。昨年ルノーPUを搭載したトロロッソの予選最高位は11位で、ホンダPUを搭載した今年は12位。これを見る限り、PUを交換したことによる明らかな差は見られない。

 この事実から、今年ルノーPUを搭載して予選で3位と6位だったレッドブルが、もし来年ホンダPUに切り替えても、大きな影響はないだろうという推測が成り立つ。

 しかし、今年のカナダGPを終えた段階で、ホンダPUの性能はルノーPUとの差をわずかに縮めたものの、依然としてメルセデス、フェラーリ、ルノーの後塵を拝して4者の中で最下位のまま。現在ルノーPUを搭載して優勝しているレッドブルが、わざわざ最下位のホンダを選択する理由はどこにあるのか。
 それは「ワークス体制」だ。