大迫がW杯初ゴールでケリをつけた。半端ない伝説が話題だが、実は半端だったの過去が(写真・ロイター/アフロ)

 動画投稿サイトに偶然アップされた映像内のフレーズが、まさか9年もの歳月を超えてホットワードと化し、今年の流行語大賞候補とまで言われるとは、当時関わった誰もが思わなかっただろう。

 それは「大迫半端ないって」――。19日に行われたロシア・ワールドカップのグループリーグ初戦で、強敵コロンビア代表を撃破する大金星を西野ジャパンにもたらしたヒーロー、FW大迫勇也(ベルダー・ブレーメン)を象徴する枕詞として、サッカー界では有名な言葉だった。

 起源は大迫を擁する鹿児島城西(鹿児島県)が準優勝した、第87回全国高校サッカー選手権大会。2009年1月5日の準々決勝で2‐6のスコアで大敗を喫した滝川第二(兵庫県)のキャプテン、中西隆裕さんが号泣しながら「大迫、半端ないって! あいつ、半端ないって!」と叫んだ映像にある。

 滝川第二戦で2ゴールを叩き込んだ大迫は、いまも一大会における最多記録としてさん然と輝く10ゴールをマークして得点王を獲得。同時にアシストも10を記録し、超高校級フォワードの肩書きを引っさげて常勝軍団・鹿島アントラーズ入りした。

 あれから9年。後半28分に1‐1の均衡を破る勝ち越し弾を頭で決めたコロンビア戦の大活躍と、サランスクのモルドヴィア・アリーナのスタンドに躍った、「大迫半端ないって」の横断幕が何度もテレビ画面に映ったことで、瞬く間にネット上で話題を集めた。

 しかし、大迫本人は自分自身を「中途半端」なフォワードだと位置づけてきた。2015年6月のシンガポール代表とのワールドカップ・アジア2次予選を最後に、大迫が刻んできた日本代表の軌跡には、約1年5ヵ月もの空白期間が生じている。

 誰よりも大迫自身が、ハリルジャパンから遠ざかった理由を痛感していた。当時所属していたFCケルンで好調をキープしていた点が評価され、ハリルジャパンへの復帰を果たした2016年11月以降、幾度となくこんな言葉を口にしている。

「ゴール前でもっと迫力を出すことが、僕自身の課題だとずっと思っている。普通にプレーしていたら出せないものなので、もっともっと意識しながら、自然と迫力を出せるようにしないといけない」

 アントラーズでの5年間で得点数が2桁を数えたのは、リーグ5位タイとなる19ゴールをあげた2013シーズンの一度しかない。活躍の場をドイツに求めた2014年以降も然り。ケルンでの4年間の合計は15ゴール。最高は2016-17シーズンの7ゴールだった。