熱海国際映画祭が6月28日から静岡県熱海市で開催される。熱海での国際映画祭の開催は初めて。熱海と言えば、行政が番組制作のAD(アシスタント・ディレクター)をサポートし、ロケを数多く誘致することで賑わいのV字回復を遂げた温泉地。テレビや映画との関わりは深いが、市内に映画館はないそうで、映画祭の開催地としての“実力”は未知数だ。そんな熱海で開かれる国際映画祭、どのような映画祭なのか? そして、なぜ熱海なのか?

フジヤマ、ゲイシャで熱海?

5月に都内で行われた熱海国際映画祭記者会見。写真右端が髪林氏、中央は齊藤栄熱海市長

 「フジヤマ、ゲイシャ……富士山があって、芸者がいるのは熱海だ、ということで、本当に熱海に芸者がいるのか、訪ねていったのです」。こう話すのは熱海国際映画祭実行委員会の髪林孝司氏。テレビ東京ブロードバンド(現・テレビ東京コミュニケーションズ)社長やエフエムインターウェーブ(現・InterFM)社長などを務めた経歴の持ち主だ。

 同氏がエフエムインターウェーブの社長時に編成局長として起用し、親交のあるマルチメディアプロデューサーのマイク・ロジャース氏が脚本・製作を手掛けた映画『ゴーストロード』が、インディペンデント映画の世界的祭典、レインダンス映画祭にノミネートされたことから、マイク・ロジャース氏を通じて海外の映画祭関係者と交流をもつようになったという。

 髪林氏によると、世界の映画市場は「ジリ貧」状態。映画産業は、映画観賞人口がどうしたら増えるのか頭を悩ませている。グローバルな視点で見ると、日本映画は韓国映画や中国映画に遅れをとっているという。

 そうした現状に対し、パリで行われている映画祭、ECUヨーロッパ映画祭の代表者で映画監督のスコット・ヒラー氏が日本映画振興のために「日本で本格的な国際映画祭を開催しよう」と提案した。

 それが熱海国際映画祭のそもそもの発端なのだという。日本といえばフジヤマ、ゲイシャ、ということで熱海芸妓を訪ねて相談したところ、熱海芸妓置屋連合組合長で現役芸妓の松千代さんから熱海市関係者を紹介され、まさに映画のような展開で国際映画祭の熱海開催が現実のものになったという。