ミスが目立ちバッシングの的となっているGK川島だが交替にもリスクを伴う(写真・ロイター/アフロ)

 開幕前の芳しくない下馬評を鮮やかに覆し、ワールドカップ・ロシア大会で快進撃を続けている西野ジャパンのなかで、ゴールキーパーの川島永嗣(FCメス)だけが批判の嵐にさらされている。

 FW大迫勇也(ベルダー・ブレーメン)の劇的なゴールで、コロンビア代表を2‐1で撃破した19日のグループリーグ初戦では、直接FKをジャンプした壁の下に通される形から一時同点とされた。
 これは壁を作った味方選手とのコミュニケーション不足も一因だった。しかし、セネガル代表との第2戦の前半11分に許した先制点は、川島の完全なるボーンヘッドだった。

 日本から見てペナルティーエリア内の右サイドから、DFユスフ・サバリ(ボルドー)が放ったシュートは、低い弾道で川島のほぼ正面に飛んできた。セオリー通りならばキャッチにいくべき状況で、目の前にFWサディオ・マネ(リヴァプール)がいたこともあり、川島はパンチングを選択する。

 しかし、慎重に処理したい思いが強かったのか。ひざまずいた体勢から両手を伸ばし、なおかつシュートそのものがやや沈む軌道を描いたために、ボールを地面に叩きつけてしまう。これが詰めてきたマネの左ひざのあたりにハーフバウンドで当たり、無情にもゴールインしてしまった。

 川島は試合後、「自分のミスだ」と認めていたが、ゴール内に転がっているボールを確認すると、振り向きざまに表情をゆがめながら何やら叫び声を発し、次の瞬間、ピッチに突っ伏してしまった。

 思いもよらない展開からセネガルへ献上した先制点に、生中継していたNHK BS1で副音声を務めていた、川島がレギュラーに抜擢された2010年6月当時の日本代表監督、岡田武史氏は「本人はよくわかっていると思うけど、川島はキャッチするべきだった」と思わず苦言を呈した。

 めったに見られないミスだったからか。国際サッカー連盟(FIFA)の公式サイトでも、逆サイドからのクロスを中途半端にクリアし、サバリへパスする形となったMF原口元気(ハノーファー)のミスと合わせて、速報で「コメディー・オブ・エラーズ」と報じられてしまった。

 西野ジャパンの初陣だった先月30日のガーナ代表とのワールドカップ壮行試合から、川島は中途半端なプレーが目についた。ワールドカップ本大会に突入しても改善されない状況を受けて、チーム最年長の35歳へ向けられる批判は、ネット上でもさらにヒートアップしている。

 28日のポーランド代表との最終戦で、引き分け以上ならば2大会ぶり3度目となる日本のグループリーグ突破が決まる。ネット上では守護神を東口順昭(ガンバ大阪)か、2年前のリオデジャネイロ五輪にも出場したホープの中村航輔(柏レイソル)に代えるべきだ、という声も少なくない。

 しかし、結論から先に言えば、川島を起用し続けるよりも、代えたほうのリスクが高いと言わざるを得ない。もし代えるのならばセネガル戦がベストにして、最後のタイミングだった。そこで川島を送り出したということは、3人のなかで依然として川島が一番信頼を得ている証となる。