ポーランド戦の勝敗を分ける守備の要、昌子を支えるリバウンドメンタリティー(写真・ロイター/アフロ)

 試合前に配られるスタートリスト。日本の先発メンバーの所属クラブの欄には、ヨーロッパのクラブ名がずらりと並ぶ。ドルトムント、ガラタサライ、マルセイユ、フランクフルト、サウサンプトンといったネームバリューは、コロンビアやセネガルのそれに見劣りすることはない。
 そういう時代になったのか、と感慨深い一方で、だからこそ、その中でたったひとつの「(JPN)」の文字が燦然と輝く。
 海外組が実に10人も占める日本のスタメンのなかで、ただひとり、国内でプレーしているのが、鹿島アントラーズのセンターバック、昌子源である。

 ロシア・ワールドカップ初戦のコロンビア戦での落ち着いたプレーがFIFAの公式サイトで紹介され、海外のサッカーファンからの注目、賞賛も集まっている。
 日本国内で唯一プレーする、あの素晴らしい選手はいったい何者なのか――、と。

 だが、昌子自身はそうした取り上げ方について、一笑に付す。
「センターバックは麻也くんと他の誰が出ても国内組になるし、僕は国内組を代表しているつもりもない。自分にできることをしっかりやっているだけ。でも、もちろんJリーガーも見てくれていると思うので、昌子でもやれるなら俺もできると、プラスに思ってくれたら嬉しいですね」

 コロンビア戦、続くセネガル戦における昌子のプレーが実に安定していて頼もしく、安心して見ていられたのは間違いない。

 コロンビア戦ではクリアを香川に繋げ、先制点となるPK獲得の起点となったプレーを始め、インターセプト、カバーリングと、あらゆる局面で「正解」のプレーを披露した。むろん、コロンビア戦は数的優位の中でのプレーだったが、圧巻だったのは、続くセネガル戦だ。

 昌子が唯一の国内組だから、なのかどうかは定かではないが、セネガルの攻撃陣は明らかに昌子を狙っていた。攻撃においても、守備においても。

 センターフォワードのエムバイ・ニアン(公式記録では184センチだが、明らかに190センチ以上だろう)は常に昌子の近くにポジションを取り、ロングボールやゴールキックを昌子と競り合った。189センチの身長を誇り、プレミアリーグでプレーする吉田麻也と競り合うより、182センチの無名のセンターバックと競り合った方が勝てると踏んだのがあからさまだった。