今年4月にユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の世界ジオパークに認定された静岡県の伊豆半島で、メガソーラー開発をめぐる対立が起きている。韓国の財閥系企業が伊東市八幡野地区で進める計画に対し、防災や環境上の懸念から地元住民らが反対運動を展開。対立の溝は深まるばかりだ。

山林104ヘクタールを取得し太陽光発電を計画

八幡野地区に掲げられているメガソーラー建設反対の看板

 伊豆半島は、その地質学的な価値や自然と人が共生する地域として今年4月、ユネスコの世界ジオパークに認定された。伊豆半島東海岸、伊東市八幡野地区は、伊豆高原として知られる別荘地帯を有する伊豆でも有数の観光地。周辺にはペンションやリゾート施設、温泉やホテルなどが数多く建つ。城ケ崎海岸をはじめとした美しい自然に魅了され、別荘を購入して首都圏や海外などから移住する人もいる。

 同地区を車で走ると山の斜面に太陽光発電のパネルが並んでいる光景を見かける。

 現在、同地区の山間に設置され、稼働している太陽光発電施設は出力が1メガワット程度のものだが、そこに出力40メガワットの大規模な太陽光発電施設を建設する計画が持ち上がっている。

 事業を計画しているのはハンファエナジージャパンなど2社でつくる伊豆メガソーラーパーク合同会社。ハンファエナジーは、韓国の財閥、ハンファグループの中でコジェネレーションプラントの運営や太陽光発電事業を担っている企業だ。その日本法人であるハンファエナジージャパンのサイトによれば、すでに2013年より徳島県で稼働している阿波西発電所をはじめ北海道、宮城、徳島、愛媛、茨城、大分で計13の太陽光発電所を運営している。

 ハンファグループは製造・建設、金融、サービス・レジャー産業など多角的に事業を展開している。2010年以降、太陽光エネルギービジネスに参入し、2012年にはドイツ、Qセルズを買収してハンファQセルズを設立するなど世界規模で活発な取り組みをしている。

 環境エネルギー政策研究所リサーチアシスタントの渡辺福太郎氏は「ハンファは、中国のトリナやインリー、カナダのカナディアンなどとともに太陽光パネル製造の世界的なメーカーです。近年はパネルメーカーが主体となって太陽光発電施設を建設するケースが増えています」と話す。

 伊東市八幡野地区の開発では、約104ヘクタールにもおよぶ広大な山林を取得し、うち約43ヘクタールを伐採し山地も造成して12万枚ものソーラーパネルを設置する予定だという。