[写真]トルコのエルドアン大統領との面会写真がドイツ国内で批判を浴びているエジル(左)とギュンドアン。二人はトルコ系ドイツ人だが、第2戦のスウェーデン戦ではともにベンチスタートとなった(ロイター/アフロ)

 ロシアで開かれているサッカーのワールドカップ(W杯)。優勝候補の筆頭格とされるドイツ代表は、大会直前に数名のトルコ系選手がトルコのエルドアン大統領と面会したことが大騒動になっている。エルドアン大統領はドイツ国内で人権侵害などを理由に批判されているためだ。

 4年前のブラジル大会では、さまざまなバックグラウンドを持つ選手が一丸となり、24年ぶりにトロフィーを手にしたドイツ代表。サッカーとは直接関係のない雑音に影響されずに、2大会連続となる優勝を実現できるのだろうか。

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優勝候補がまさかの黒星スタート

 ドイツ語で「ディー・マンシャフト(そのチーム)」や「DFBエルフ(ドイツサッカー協会の11人)」というニックネームを持つ、サッカーのドイツ代表。W杯の歴史に目を向けても、ブラジルやアルゼンチンといった特別な国だけに与えられた存在感を持ち、各大会で例外なしに主役としてスポットを浴びる存在だ。

 統一直前で西ドイツとして出場した1990年のイタリア大会では、ユルゲン・クリンスマンやローター・マテウスといった選手らの活躍で優勝。24年後の2014年ブラジル大会では、準決勝でホスト国ブラジルから7ゴールを奪う大勝で決勝に進出し、決勝のアルゼンチン戦をゲッツェのゴールで制したドイツは、西ドイツ時代からの通算で4度目となる優勝トロフィーを手にした。

 ロシア大会に出場する代表選手のユニホーム。左胸の部分に付けられた代表チームのエンブレムの上には、4つの星の刺しゅうが施されている。イタリアと並ぶ4度の優勝を誇るドイツだが、それらをしのぐ記録を持っているのはブラジルだけだ(優勝は5回)。

 前回のブラジル大会では、イスラム教徒のトルコ系選手をはじめ、ガーナやチュニジア、ポーランドにルーツを持つ選手らの活躍が光った。ドイツの勝因として、個々の能力や戦術の優越性に加えて、「多様性」が加えられた。1998年に自国開催で初優勝したフランス代表もまた、アルジェリア系のジダンらさまざまなルーツを持つ選手がうまく融合し、魅力的なサッカーを繰り広げた。

 前回王者としてロシア大会に臨んだドイツ代表であったが、初戦のメキシコ戦では、チームが全体的に前がかり気味になったところを、メキシコの高速カウンターに狙い撃ちされ、まさかの初戦黒星。2戦目のスウェーデン戦も、ゴールが遠い状態が長く続いたが、1×1で迎えた後半ロスタイムに、司令塔のトニ・クロースがフリーキックを成功させ、辛くも勝ち点3を手にした。日本時間の今夜11時、ドイツ代表は韓国代表とグループリーグ最終戦で激突するが、問題なく決勝トーナメントに進むだろうという見方が強い。

 かつてイングランド代表でストライカーとして活躍したギャリー・リネカー氏は、ドイツサッカーの底力について明言を残している。「フットボールはものすごく単純だ。22人がボールを奪い合い、最後にはドイツが勝っている」。負けていたり苦戦したりしていても、最後には勝利にまで持って行くドイツの試合巧者ぶりと強いメンタリティーに対する賞賛であると考えられている。