決勝トーナメントに駒を進めた日本代表。日本の経済も勢いはあるのか?(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 サッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会を観ていると、経済パフォーマンスとスポーツの強さに関係があるでは?と思います。経済的に勢いのある国が好成績をおさめている一方、そうでない国が予想外の苦戦を強いられているケースが目立つからです。もちろん例外は多数ありますが、スポーツの強さとその国の経済は無関係ではないと思えて仕方ありません。本稿では、時事問題の整理を兼ねて、今大会の優勝国を予想してみたいと思います。

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経済的疲労感が試合の結果にも? 勢いにのる国といまひとつ冴えない国

ナイジェリアVSアルゼンチン(写真:ロイター/アフロ)

 まず、今回のW杯に出場すらかなわなかったイタリア。イタリアは2012年頃まで欧州債務問題で経済的苦境に陥りました。その後、経済は幾分持ち直しましたが、その回復ペースは鈍く不振が目立っていました。政治面では、今年3月の選挙後に組閣が進まず、政治的空白が長引いたことで、同国の国債が売られるなど、不振が目立ちます。本大会へ出場できなかったことと、そうした政治経済の停滞に何らかの関係があるではないでしょうか?

 次にアルゼンチン。辛うじて決勝トーナメントに駒を進めましたが、この5月はアルゼンチン政府の債務不履行の可能性が嫌気され、通貨価値が暴落するという経済的苦戦が大きな話題になりました。政策金利を40%まで引き上げるなどして通貨価値の防衛策を講じていますが、経済的混乱は続いています。そうした疲労感が予選の苦戦にあらわれた気がします。

 またドイツのグループリーグ敗退も同国が抱える不安と関係しているように思えます。それは取りも直さず、米トランプ政権が輸入車に関税を設定すると脅しをかけていることです。ドイツは米国向けの高級車輸出が非常に強い国ですから、それが関税でブロックされれば大変な痛手となります。W杯開催期間中にもかかわらず、トランプ大統領が貿易赤字解消について語気を強めているのが不気味です。ドイツの予選敗退は、同国経済の先行き不安を浮き彫りにしているように思えて仕方がありません。