日大第三者委員会は中間報告で反則指示を事実認定したが、監督公募を知らないなど、今後のチーム再建には不安を残した

日大の悪質タックル問題の真相追求と、今後の再発防止策を提案する第3者委員会が29日、都内のホテルで中間報告を行い、内田正人前監督、井上奨前コーチによる当該守備選手への「傷害の意図を持った反則指示があった」ことを認定した。内田前監督、井上前コーチは、同委員会の聞き取り調査に対しても、「反則指示はなかった。選手との受け取り方に乖離があった」との従来の主張を繰り返し、当該選手の主張と真っ向対立したが、同委員会は、70人の関係者へのヒアリングと、映像やメール履歴のチェック、145人の日大現役選手への30項目にわたるアンケート調査などを行い、「内田氏および井上氏の弁解はまったく信用できない。反省もしていない」と断罪、反則指示があったことを事実認定した。
 
 選手へのアンケートには、120人から回答があったが、「内田前監督、井上前コーチと、当該選手のどちらの言い分が正しいと思うか?」という質問に対して、内田前監督、井上前コーチの主張を支持する声はゼロだったという。
 
 第三者委員会は、アメフットの専門家を意図的にメンバーに加えず、関学大の被害選手と、その父親や関係者を聴取した際には、勝丸委員長が「あのタックルは怪我を軽くするためのタックルだったのでは?」との意味不明の質問を行うなど、その立場と、姿勢に不信感が重なっていたが、今回の調査結果、事実認定は、先に関東学生アメリカンフットボール連盟の規律委員会が出した結論をほぼ追従するもので、被害者、並びに加害者、今後の日大の再建を心から願う人々が抱いていた懸念や不安を打ち消した。
 非常に評価すべき中間報告で、記者会見での質疑応答の中でも、元広島高検・検事長の勝丸委員長の正義感や実直さは十分に伝わってきた。

 また同委員会は、日大側から「口封じ」があったという衝撃事実もつきとめて発表した。報告書によると、5月14日に井上前コーチが、内田前監督の指示で、この問題に関係する選手らを三軒茶屋のキャンパスに呼び出し、別の日大関係者が「本件タックルが故意に行われたものだと言えば、バッシングを受けることになるよ」などと申し渡して暗に内田前監督の関与がなかったように説明することを求めて口封じを図った。続いて16日には、部員数名が日大の事情聴取を受ける寸前に、日大職員から「内田前監督の指示については話さないように」と説得されたという。

 同委員会は、「不当な圧力によって事件のもみ消しを図ろうとしたことは、事後対応上の問題点として看過できない事実であり、今後、日大のガバナンスの在り方を検討する上で十分勘案していかなければならない」と問題視した。
 同委員会は、もみ消し工作を行った人物の名前を明らかにしなかったが、筆者の調べでは、このうちの一人は、内田監督より2つ下の日大アメフット部OBで甲子園ボウルで最優秀守備選手にも選ばれた人物で、理事にも名を連ね、株式会社・日大事業部をも牛耳っている週刊誌などで“黒幕”と書かれてきた人物だ。
 日大の次期監督、コーチ選びにも、暗躍していると言われており、当該守備選手に対しては、「一生面倒を見てやるから、黙っておけ」という甘い言葉を投げかけて、口封じを図ったこともわかっている。