俳優・浅野忠信の父親で、元芸能事務所社長の佐藤幸久容疑者(東京都渋谷区)が6月30日、覚醒剤取締法違反(使用)容疑で警視庁に逮捕されていたことがわかった。容疑を認めているという。

 佐藤容疑者は昨年11月にも同容疑で逮捕、今年3月に東京地裁で懲役2年執行猶予5年の有罪判決を受けたばかり。マスコミ各社の報道によると、佐藤容疑者は6月29日深夜、町田市内で職務質問を受け、尿検査の結果、覚醒剤の陽性反応が出たという。

重罪となる覚醒剤事件 さらに再犯の場合は……

 覚醒剤は依存性の高い薬物として知られる。自ら罪を反省したものの、その依存性の高さから何度も手を染めてしまうことも珍しくない。佐藤容疑者の場合も執行猶予付きの有罪判決を受けていたことから、今度は実刑は免れないと思われる。

 「覚醒剤事件の執行猶予中に再犯してしまった場合、再度の執行猶予は絶望的と言っていいでしょう。恐らくですが、今度は懲役2年6月ほどの実刑判決が考えられ、プラスして前回の分の刑も併せて執行されることになると思われます。また、そもそも十年以上前にも覚せい剤での逮捕歴があるということが一部週刊誌で報じられたこともあり、となると常習者と言っていい」と、スポーツ紙の50代記者は指摘する。

浅野の独立に伴い、父が社長となって設立した事務所「アノレ」とは?

 浅野にとっては気の毒なこととなってしまったが、佐藤容疑者は浅野が所属する芸能事務所アノレの元社長で、1996年に同社を設立した。その前は俳優でコメディアンの石倉三郎のマネージャーを務めたこともあり、息子である浅野が独立するのに伴い事務所設立という流れになった。

 「もともとは一般企業の営業マンだったそうですが、そこから芸能プロダクションに転職しました。アノレは、文字通り浅野のために立ち上げた会社。当初は弱小プロダクションの感は否めませんでしたが、順調に業績を伸ばし、新井浩文や三浦貴大など、実力派の俳優が所属するようになりました」と、地上波放送局の40代プロデューサーは説明する。

 佐藤容疑者は昨年11月の逮捕後、12月28日付で同社の社長を辞任。浅野も事件後、公式サイトを通して関係者やファンへ謝罪し、「今後はより支えあって多くの時間を父とともに過ごしたいと考えています」とコメントしていただけに、再度の逮捕は大きなショックだろう。

 佐藤容疑者がアノレを設立した1996年といえば浅野にとっては、「Helpless」で映画初主演を果たしたほか、活動の場を海外に広げ、ウォン・カーウァイ監督「wkw/tk/1996@/7’55”hk.net(英語版)」にも出演、翌97年には日本アカデミー賞話題賞やヨコハマ映画祭主演男優賞を受賞し、俳優として本格的に上昇気流に乗った時期でもあった。当初はまさに、父子二人三脚でまい進して行くイメージだったようだ。
 
 しかし佐藤容疑者の逮捕が、すべてを狂わせてしまったようだ。

 「アノレの窮状を危惧する声は、業界の内外で出ていました。5、6年前に菊地凛子や伊藤歩といった人気のある女優が去り、昨年の佐藤容疑者逮捕後は、加瀬亮も出て行ってしまいました。看板の浅野をはじめ、まだ人気のある俳優が残っていますが、“元社長”とはいえ再度の逮捕はイメージが悪すぎます。もし人気俳優の大量離脱などが起きれば事務所の存続危機につながりかねないでしょう」と、別の芸能プロダクションの50代男性マネージャーは話す。

 周囲も一丸となっての取り組みがなければなかなか“足を洗う”ことが難しいともいわれる覚醒剤の恐怖。ここまでくると、浅野も父親との絶縁を考える必要がありそうだ。

(取材・文:志和浩司)