原口の先制ゴールで日本が優勝候補ベルギーから先手を取った。「やることはやった」試合だった(写真・ロイター/アフロ)

 試合後のミックスゾーンには選手が次々とやって来るから、すべての選手に話を聞けるわけではない。いわゆる“囲み取材”に参加できるのは3、4人くらいだろうか。
 ベルギーとの激闘を終えたあと、話を聞くことができた3人が、奇しくも同じことを口にしていた。

 珍しく早めにミックスゾーンに姿を現した本田圭佑は、開口一番「これがワールドカップ、僕自身にとって最後になるんですけど……」と告白したあと、「このワールドカップに関して途中出場の役割でしたけど、やれることはやった。ベストを尽くした。その想いはあります。ベルギーも勝利に値する戦いをしたと思うし、僕らも最後まで自分たちの持っている最高に近いプレーを出せたと思うし……」と語った。

「受け入れがたい結果です」と率直な気持ちを吐露した香川真司は、それでも堂々と「ただ、自分たちはすべてを出し尽くして戦い抜いた。その結果がこれなので、受け入れるしかないのかなと思います」と続けた。

 ベルギーの選手たちを「バケモノだと思った」と話した長友佑都は「クオリティも、スピードも、フィジカルも彼らのほうが上だった」と認めたうえで「ただ、全部出し切ったというか、やれることはやったと思うので、自分自身も、チームも、胸を張って帰りたいなって」と、清々しさすら感じさせる表情で答えた。

 もちろん、アディショナルタイムに決められた決勝点を含め、「ああしていれば、こうしていれば」と思えるシーンは、少なくない。

 しかし、多くの人が彼らの言葉に大きく頷けるのではないか。
 あなたたちは間違いなく、持てる力を出し切っていた、素晴らしいパフォーマンスを披露してくれた――、と。
「最高に近いプレーを出せた」「全てを出し尽くして戦い抜いた」「やることはやった」という言葉とともにワールドカップの舞台から姿を消すのは、日本サッカー史上、初めてのことだ。

 だからこそ、見えてくるものがある。