W杯3大会連続ゴールの偉業を果たした本田圭佑(32)が決勝トーナメント1回戦、ベルギー戦後に「代表引退」を明らかにした。
「4年後はちょっと考えられない。自分のためだけのW杯にするなら同じような役回り(スーパーサブ)で出られる可能性はあるが、そういうことじゃない。言えることはW杯に次はもう出ない、ということ」
 今大会では、スタメンではなく後半出場で流れを変えるスーパーサブの役目を担ったが、ベテランがそういう立場を次大会も占めることは日本サッカー界の未来を考えると間違っているのではないか?という判断。そして、代表引退どころか、現役引退の可能性さえ示唆した。
「自分が現役をどう続けていくか。サッカーに今後どう携わっていくのかを含めてちょっと整理したい」
 パチューカとの契約を1年にしたのも、W杯に集中するためで、現在所属先がない状況だ。
 これらの発言を受けて、本田圭佑の祖父・故・満さんの弟で、大叔父にあたる元東京五輪カヌー代表、本田大三郎さん(83)は、「代表引退は人様が決めることで、圭佑が決めることではない。勝手にこれが最後だなんて口にするのはおかしい。言っちゃダメだ」と諌めた。

 本田大三郎さんは、本田圭佑の祖父の2つ違いの弟。ハンドボール、ラグビーでも日本代表クラスの実力者で、引退後は、自衛隊体育学校、横浜消防訓練センターで長くスポーツの指導者を務めた。長男はレスリングで3度の五輪出場を果たし、その後、プロレスラーに転身した本田多聞である。

 本田が、小学校の頃に両親が離婚。本田は父に引き取られたが、その父は仕事で多忙なため、祖父の満さんの自宅に兄弟で預けられた。そこにカヌーの全日本合宿の前後を利用して度々、訪ねてきたのが大三郎さんで、本田に「将来、世界一のサッカー選手になるため」の運動生理学に通じるような練習ノートの付け方を教えたのは有名な話だ。

 その大叔父は、本田の“今後”について、こんな檄を飛ばす。

「W杯は永遠に続くもの。グラウンドに立ちボールを蹴ることだけがW杯ではない。代表監督を目指してもいい。コーチとして代表への恩返しもある。チームを運営するための“銭作り”への貢献も圭佑ならできるだろう」
 本田監督、本田コーチ、或いは、彼が興味を持っているビジネス面での日本サッカー界への貢献。有言実行を続けてきた本田が次世代の日本サッカー界へ果たす役割は少なくないのかもしれない。
 本田も、その大叔父のアドバイスに重なるような“今後”も口にしていた。
「日本代表は大きく前に進んでいかないといけない。そういう次のミッションに、どういった形で僕が関わるか分からないが……。優勝を目指すという意思を次の若手に引き継いでもらいたい。まだ優勝ということを口にする若手がいないが、誰になんと言われようと優勝と言い続ける若手が、次の代表を引っ張っていくだろう。今回のW杯でそれにふさわしい選手を僕は何人か見つけている。次に頑張ってほしい」

 大叔父は、こう続ける。
「W杯での優勝はまだ1世紀早いのかもしれない(笑)。そのチャンスは、圭佑の孫の世代に訪れるのかもしれないが、圭佑がずっと言い続けてきた“日本を優勝させる”と、という自分の言葉を有言実行するために圭佑のW杯も永遠に続くのだ」