日本人監督として2人目の決勝トーナメント進出を決めた西野監督の続投か、新監督か、を巡って賛否を起きている(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

ワールドカップ・ロシア大会を戦い終えたばかりの日本代表で、監督問題がにわかにかまびすしさを増している。開幕前の芳しくない下馬評を覆し、2大会ぶり3度目のグループリーグ突破へ日本代表を導いた西野朗監督(63)の続投が濃厚だと、大会中に幾度となくスポーツ紙上で報じられた。

 しかし、後半アディショナルタイムに喫した失点で優勝候補のベルギー代表に屈した、決勝トーナメント1回戦から一夜明けた4日になって、前ドイツ代表監督のユルゲン・クリンスマン氏(53)の次期監督就任が決定的になったと一部スポーツ紙が報じた。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督の電撃解任を受けて、4月に緊急登板した西野監督との契約は今月末で満了するが、西野監督の続投か、クリンスマン氏か、を巡りネット上では賛否両論が沸き起こっている。ヤフーが実施しているネット上のアンケートでは西野監督の続投を支持する声が67.4%、反対が23%、わからない/どちらでもないが9.6%となっている(5日午前4時現在)。

 西野続投派は、統率力、コミュニケーション力を評価し、コロコロと替えるべきではない、といった理由が多く、反対派は、W杯でさらに上へ行くためには世界的なビッグネームの監督が必要、未来を見た育成を考えるなら外国人監督……というような意見が目立つ。
 
 1996年のアトランタ五輪で西野監督のもとでプレーした経験をもつ元日本代表FWの城彰二氏は続投を支持。3日付けの『THE PAGE』に掲載されたコラムでは、こんな持論を展開している。

「たった2ヵ月で、明確なチームコンセプトのもとで選手とコミュニケーションをとり、ここまでのチームに仕上げた西野監督の手腕は高く評価されるべきだろう。1年前、いや、せめて半年前にこの体制を作り、守備におけるグループ戦術や攻撃のコンビネーションを磨いていれば、さらなる上積みが期待できただろうし、ベルギー戦の結果もどうなっていたかわからない。
 代表監督の責任やプレッシャーは相当なものだと想像するが、日本の進むべき方向性をワールドカップで示してくれた西野監督には、はっきりと続投を宣言してもらいたい。そして、日本サッカー協会はもうワールドカップごとの4年スパンではなく、若手の育成を含めた長期的な日本の未来ビジョンを西野監督とともに構築し、8年でも12年でも長期契約を結び、腰をすえて『ベスト16越え』へ向かうべきではないか」

 西野ジャパンとしての始動は、5月21日から千葉県内でスタートした国内合宿。実質的には1ヶ月に満たない準備期間のなかで初陣となったガーナ代表との壮行試合をへて、招集した27人をロシアの地に臨む23人に絞り込んだ。怪我人以外で選外となったのは、21歳のMF井手口陽介(クルトゥラル・レオネサ)ら、いずれもリオデジャネイロ五輪世代の3人の若手だった。

 必然的に発表時の平均年齢は28.17歳と過去最高となった。一部で「おっさんジャパン」と揶揄されるなかで、キャプテンのMF長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)やGK川島永嗣(FCメス)だけでなく、ハリルジャパン時代はボーダーライン上にいたMF本田圭佑(パチューカ)やFW岡崎慎司(レスター・シティー)ら、30歳以上のベテラン勢を選んだ意図は明白だった。
 彼らがもつ濃密な経験をチームの軸にすえる。さらにFW大迫勇也(ベルダー・ブレーメン)やMF乾貴士(レアル・ベティス)、柴崎岳(ヘタフェ)、DF吉田麻也(サウサンプトン)らがヨーロッパの舞台でもがき、苦しみながらも体得してきた個人戦術を融合させた。
 最終的に固定された主軸選手のうち、DF昌子源(鹿島アントラーズ)以外の10人がヨーロッパ組だった。しかも、4年後のカタール大会の開幕時には、29歳になっている昌子以外は全員が30歳を超えている。ベルギー戦後に本田と長谷部が代表引退を表明したように、ある意味で、次を睨んだチームの継続性には目をつぶった感の強い、ロシア大会限定のチームだったと言っていい。