「残業よりもデートを優先したい」と考える新入社員の割合が、バブル世代を超えようとしています。これまで「私生活重視」「がんばらない」というのはバブル世代に特徴的な現象でした。しかし、バブル世代を上司に持つ今の若者は、さらにこうした傾向を強めているようです。

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 日本生産性本部が、50年にわたって毎年行っている調査によると、今春入社した新入社員で「人並みで十分」と考える人の割合は60%を突破し過去最高となりました。仕事は重視せず、人並みで十分というのはバブル世代(平成3年頃に入社)に特徴的な現象でしたが、ここ数年、バブル世代と同じように考える新入社員が増加し、とうとうバブル世代を完全に上回っています。逆に、人並み以上に働きたいと考える人は約30%まで減少しており、こちらもバブル期とほぼ同じ水準まで減少しました。

 バブル世代の社員は現在、50歳前後となっており、今や企業における中心的な存在となっています。今の若手社員はバブル世代の上司に対して「モーレツ」「仕事中心」「昭和の価値観を押しつける」というイメージを持っていますが、彼等が新入社員だった頃は、まったく逆でした。

 デートの約束がある時に残業を命じられたらどうするか、という問いに対しては、バブル世代は約4割が、残業を断ってデートをすると回答しており、これは歴史的に見ても突出して高い値です。残業せずにデートをするという人は、その後、年々減少が続いていましたが、2012年頃から上昇トレンドに転じており、最新の調査では30.9%に達しています。この項目でもとうとう今の若者世代がバブル世代に追いつこうとしています。

 バブル期と今とでは経済環境はまったく違いますが、新入社員の意識がよく似ているというのは非常に興味深い結果といえます。

 景気がよくなってバブル的な傾向が出てくると、人並みで十分という人が増えるのだとすると、今の景気拡大局面もそろそろピークという見方もできます。一方、若者の意識は経済状態とは関係なく、循環的に変化するものだと見ることもできるでしょう。

 若手社員の人は、50歳前後の上司に対して、このアンケート結果を示して「新人の時は残業せずにデートしていたのですか」と聞いてみるのも面白いかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)