西日本から東日本にかけて停滞する梅雨前線の影響で、九州北部を中心に記録的な大雨となっている。気象庁は6日午後5時10分、これまでに経験したことのないような大雨になっているとして、福岡、佐賀、長崎の3県に大雨特別警報を発表した。気象庁は「重大な危険が差し迫った異常事態。避難を完了している場合も油断しないで」と呼びかけており、発表された地域では最大級の警戒が必要だ。

生まれ変わった警報は「本当にやばい時のシグナル」、豪雨災害から身を守る

特別警報の期間は長くなる可能性も

気象庁:特別警報・警報の発表状況( 7月6日 17時20分時点の資料)

 気象庁によると、特別警報はこれまでに2017年7月九州北部豪雨や2015年9月関東・東北豪雨など7事例9回発表しており、今回が8事例10回目。

 台風7号から変わった温帯低気圧の影響で、太平洋高気圧が南東に後退し、北上していた梅雨前線が南下。その後、太平洋高気圧の勢力が変化せず、前線が日本列島にかかったまま停滞しているのが、同じ地域で大雨が降り続けている原因だという。特に東シナ海でわき出した雨雲が九州北部にかかり続けており、特別警報の期間は長くなる可能性もあるという。

 記者会見した梶原靖司・予報課長は「福岡、佐賀、長崎の3県に発表したが、これ以外の地域でもすでに記録的な大雨になっており、中国地方や近畿地方でも特別警報が発表される可能性はある」と説明している。

 気象庁は、記者会見から約1時間半後の6日午後7時40分ごろ、広島、岡山、鳥取の3県にも大雨特別警報を発表した。

特別警報とは?

[図]「特別警報」発表時に取るべき行動

 特別警報は、大雨、暴風、大雪などの「気象」のほか、「火山」「津波」「地震」が対象で、今回のような大雨など気象の場合は、その地域で50年に1度の現象が予想される場合に発表される。

 2011年9月に紀伊半島に大被害をもたらした台風12号の時などに、警報、土砂災害警戒情報、記録的短時間大雨情報といった従来の情報を発表したにもかかわらず、その後さらに激しさを増した大雨による危機感を伝える方法がなく、被害を防げなかったことなどを教訓に、2013年8月に運用が始まった。

 ただ、特別警報が出た段階では、すでに河川の氾濫や低地の浸水、土砂災害などが発生している可能性も高く、避難行動そのものが危険な場合も考えられる。

 特別警報が発表された地域では、必ずしも避難所への避難にこだわらず、時には家の1階から2階に移動する垂直避難など、その段階で最も身を守るのに適した行動をとることが大切になる。

 また、特別警報は府県単位の広がりを持った大雨の場合が対象で、狭い範囲の局地的豪雨の場合は発表されないことにも注意が必要だ。

 このため、特別警報が発表されていない地域でも、特別警報が出ていないからといって安心することなく、気象庁が発表する危険度分布などをチェックして、早め早めの避難を心掛けることが重要だ。

飯田和樹・ライター/ジャーナリスト(自然災害・防災)