佐野史郎の怪演ぶりが話題のオトナの土ドラ「限界団地」(フジテレビ系)も7日放送で第5話を迎え、“冬彦を超えた”ともいわれる佐野の怪演が、ここへきてますますエスカレートしている。団地妻ぶりが健気かつ色っぽい足立梨花演じる江理子への関わり具合も急加速しそうな気配だ。

佐野史郎、連ドラ初主演作で団地に住む老人に 不気味さは冬彦さん以上?

コメディーとホラーを絶妙にブレンドした“おもしろ怖い”展開

 第5話のタイトルは「行け!ダンチマン!」。子どもの頃に住んだ都内郊外にある「あやめ町団地」へ舞い戻ってきた寺内誠司(佐野)は47年前、同じ団地の住人だった加代子(江波杏子)の夫を殺害したという秘められた過去を持つ。そのほかにも自らの息子夫婦の火事による死など、不可解な事故や事件に深く関与していることを匂わせる伏線がドラマの随所に張られており、疑惑の渦中の人物……というより存在自体がもはや疑惑の塊だ。秘密を知る父親の仁(山谷初男)は自宅に軟禁状態で、必死で寺内を諭そうとするもうまくいかない。

 そんな寺内が、5話で突如として“ダンチマン”を名乗る。黒いトレーニングウェアの上下にマント、ピンク色のゴム手袋、そして顔には縁日で売られているような団地をモチーフにしたお面。ナショナルキッド仮面が効果的に使われた「20世紀少年」的なシュールでインパクトのある異様な出で立ちだ。実はダンチマンは寺内が子どもの頃に父子で遊んだヒーローごっこのキャラクターなのだ。その当時テレビで始まったウルトラマンに影響され、団地の平和を守る変身ヒーローになるのが夢だった寺内は、父親を毎日引っ張り出してヒーローごっこをしたが、父親がそれをダンチマンと名付けたのだという。お面も、父親が手作りした。

 47年前の殺人のみならず、最近になって息子の関与が疑われる事件が相次いだことに責任を感じすべてを悲観した父親は、警察に自首を勧めるが決裂。寺内は「一緒に死のう」と諭す父親と激しい口論の末、「僕はダンチマンなんだ! 誰もボクを止められない!」と、宣言する。

 寺内は団地の平和を守るため、一人暮らしの高齢女性らをカモにする霊媒師の成敗に乗り出した。ダンチマン姿の寺内が、「ダンチマーン、ダンチマーン、ダ・ダ・ダ・ダー・ダー・ダー・ダー・ダンチマーン♪」と自らテーマ曲を歌いながら夜に飛び出す異様さに、ネット上には放送直後から「ダンチマン、夢に出てきそう」「ジェイソンとウルトラマンを混ぜたようなお面と展開が強烈」などと悲鳴が上がった。団地妻・江理子
役の足立もツイッターで「ダンチマンのことダサいとか言ったら…寺内さんに狙われますよ…」と悪ノリ?)ツイート。

 父親はとうとう精神的に張り詰めていた糸が切れてしまったのか、認知症のような状態となり施設に預けられる。また、寺内が溺愛する孫の穂乃花(渡邊詩)もおじいちゃんがおかしいことに気づいているようで、ふと見せる生気を失ったような表情が怖さを盛り上げる。そして団地をめぐる物語は、一難去ってまた一難。江理子の旧知の先輩で住宅管理センターの二宮(郭智博)が自治会長の金田(山崎樹範)を訪れ、あやめ町団地
は老朽化で取り壊しが決定、一年後をめどに住民は出ていかねばならないと告げる。それを窓の隙間から見聞きした寺内ダンチマン、黙っているはずがない……。

 第6話の予告編では、穂乃花の母親になってくれと江理子に懇願する寺内の姿や「おじいちゃんと呼ばれたい」と江理子に迫って拒絶される場面、寺内自身が殺されそうになっている場面などが見られる。団地を閉鎖空間として描き、コメディーとホラーを絶妙にブレンドした“おもしろ怖い”展開、先行きが気になる。

(文:志和浩司)