沢村一樹(2006年撮影)

 フジテレビ月9で、「絶対零度~未然犯罪潜入捜査」(月曜・午後9時)が始まった。初回の平均視聴率は10.6%と2桁に。近年はほぼ慢性的に視聴率の苦戦が伝えられてきた月9だが、前作「コンフィデンスマンJP」は好評で復調の兆しが見えてきたところ。

 「絶対零度」シリーズは今回が第3シーズンとなるが、これまでは上戸彩の主演で知られる。が、今回は上戸はストーリー上のキーマンとしての特別出演で、主演は沢村一樹だ。ほかには関ジャニ∞の横山裕、本田翼、伊藤淳史、柄本時生、ベテラン俳優の平田満らが顔を揃えるが、大胆な主人公の変更は吉と出るか凶と出るか。

「未然犯罪捜査システム」には、目新しさはなし

 シーズン1は「未解決事件」、シーズン2は「潜入捜査」がテーマで、上戸演じる桜木泉の活躍や成長を描いてきたが、今回は「未来の犯罪を予測して捜査する」未然犯罪捜査システムが扱われている。AIがこれから起こる重大犯罪、主に殺人を犯す可能性が高い危険人物を割り出す通称「ミハン」システムの実用化プロジェクトが見どころとなっているが、米映画「マイノリティ・リポート」やドラマ「パーソン・オブ・インタレスト」などで既視感バリバリ、いまとなっては使い古された設定であり、正直“またか”という感じがする。

 また、「絶対零度」とタイトルが付く限り、第2シーズンから年数が経過しているとはいえ、どうしても桜木が主役だった前作のイメージを引きずってしまう。初回を観た限りでは、沢村演じる井沢範人のひょうひょうとした“軽さ”に違和感があった。それもまた演技のなかの演技なのか? このノリがずっと続くと思うと、ちょっとついていけないような気がするが、それはまずないと思いたい。

 前作までとはあまりにもテイストが異なり、第3シーズンというよりスピンオフを観ているような気分だ。いっそのこと、まったく別のドラマとして捉えたほうが素直に楽しめるかもしれない。ただ、初回冒頭に登場する井沢が、捉えた犯人を残虐に拳銃で殺害するシーン。それが今後の展開にどう絡んでいくのかは気になるところだ。