綾瀬はるか(撮影:田村豊)

 主演女優と互角に渡り合う子役の横溝菜帆が、秀逸だ。10日スタートした綾瀬はるか主演のドラマ「義母と娘のブルース」(TBS系、火曜・午後10時)は、綾瀬演じるバリバリのキャリアウーマン・岩木亜希子が、必死で義母になろうと奮闘する10年間の愛の物語。漫画家・桜沢鈴の義理の母娘の絆を描く感動の泣き4コマが原作で、夫の宮本良一は竹野内豊、一人娘のみゆきは横溝(幼少期)と上白石萌歌(高校生)が演じる。また、初回は登場場面が少なかったが、佐藤健が演じる近所のパン屋のダメ男、麦田章も重要な役どころで活躍しそうだ。

 初回視聴率は11.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と2ケタのスタート。数字を持っている女優・綾瀬が初の母親役挑戦とあって、注目度は高い。

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高いビジネススキルを駆使して、義母に挑戦

 綾瀬演じる亜希子は33歳の若さで大手金属メーカーの営業部長にまで上り詰めた、クールで最強のキャリアウーマンだ。子持ちの45歳、宮本(竹野内)との結婚を決意するが、3年前に亡くした母への想いを引きずる8歳の娘・みゆきとは初対面の日に早々、「この人嫌い」と、問答無用のNGを出されてしまう。

 これまでのキャリアで培ったあらゆるスキルを駆使して、何としてもみゆきに受け入れてもらおうと奮闘する亜希子。1話では最初から最後まで、ほぼ無表情を貫いた綾瀬の演技が光っていた。表情の動かないはずの人形が、見る側の気持ちの揺れ動きに沿って微笑んで見えたり悲しんで見えたりするのにも似て、一見無表情な中にも微妙な感情の移ろいが表現されていた。初回ラストでは体を張った腹芸も披露し、話題となっている。

無表情の義母(綾瀬)と表情豊かな娘(横溝)が絶妙のコントラスト

 一方で、その亜希子と衝突するみゆき役の横溝は、綾瀬とは対照的に表情の大きな変化で存在感を放っていた。10歳ながら映画にドラマにCMに声優に、NHK大河「平清盛」など多数の出演経験を持つ実力派で、綾瀬が主演した「精霊の守り人」では綾瀬演じる主人公バルサの幼少期を演じたことで知られる。初回終了後、ネット上には「ムッとする表情、可愛すぎる」「表現力あって上手」などと好評の声が相次いだが、主演の綾瀬と絶妙のコントラストを醸し出していた。

 また、衝突する2人の間にいながら、常に楽観的で笑顔の絶えない父親・宮本を演じる竹野内の存在感は、どこかホッとさせる。ドラマ全体の雰囲気を引っ張っているのは、実は竹野内かもしれない。また、結婚するというのに、どこかビジネスライクで、ぎこちないような亜希子と宮本のやりとりは、「何か事情がありそう」だと匂わせている。