#03 抉られた両腕の傷跡

[写真]モスル前線で取材中のマジッド

 短髪でヒゲを生やした精悍な顔つきの若者はマジッドと名乗った。お互いの自己紹介を手短に済ませると、私たちは早速本題に入った。今回、私が何を撮りたいのか。自分の目的を伝えると、彼は現地の詳細な戦況、取材可能な対象や地域を細かく説明し、何日かけて取材をするかスケジュールの目安を立てた。

 ウェイターのシリア人が水タバコを運んできた。レモンミント味の煙を吸いながら彼の両腕に巻かれた包帯について尋ねた。「CNNと一緒に前線を取材していた時に、迫撃砲が近くに落ちたんだ。咄嗟に両腕で頭を守って間一髪で助かった」。包帯を解いた彼の腕には、砲弾の破片で抉(えぐ)られた生々しい傷跡が残っていた。