#04 命を預ける相手

[写真]モスルに向かう車内で警察軍と連絡を取るマジッド

[写真]イラク陸軍特殊部隊のコマンダーと話をするマジッド

 フィクサーは、取材時のドライバーとセキュリティーの役目も務めるのが一般的で、いわば現地での「相棒」だ。彼らを雇うには1日500ドルから2000ドルほどかかる。ただこれは取材する場所によって異なり、もっと高い金額を要求されるケースもある。私のようなフリーランスのフォトグラファーにとってはとてつもない大金だが、命を預ける相手なのでケチるわけにはいかない。ここを安く済まそうとして信用の低いフィクサーを雇い、大けがを負ったり、敵対勢力に身柄を売られてしまったりした報道関係者も少なくない。

 腕の良いフィクサーは、現場経験が豊富で、複数の言語に堪能であり、機転が利き、さまざまなネットワークを持つ。マジッドは英語、アラビア語、クルド語に堪能で、欧米の大手メディアと何度も仕事をしてきた。エルビルに滞在する欧米人ジャーナリストやフィクサーたちの間では誰もが知る存在だった。評判の良い信用のあるフィクサーというのは、それだけ多くのジャーナリストたちの取材を成功させ、無事に帰って来たことの証だ。