12年ぶりに球宴登板した松坂は5失点、直球勝負美学へのこだわりが裏目に出た(資料写真・黒田史夫)

プロ野球のオールスターゲームの第1戦が13日、大阪の京セラドームで行われ、両軍5本塁打が飛び交う乱打戦の末、全パが全セに7-6で競り勝った。12年ぶりに復活した全セの中日・松坂大輔の先発に注目が集まったが、5失点の大炎上。この試合では、三振数が両軍でわずか「5」に終わり奪三振ショーは見られなかった。かつて江夏豊氏が9連続三振、江川卓氏が8連続三振を奪い、本塁打と共にピッチャーの奪三振もオールスターを彩る華だったはずが……もう奪三振ショーの見ることのできる時代ではないのだろうか。今日14日の第2戦には、セの奪三振トップの巨人・菅野、パの奪三振2位の楽天・岸の2人が先発マウンドに上がる。

 プロ野球選手にとって究極の自己表現は、打者ならホームラン、投手なら奪三振だろう。対極にあるが、いずれも選ばれしツワモノが集まる夢舞台を彩る華だ。
 この日は、ホームランショーがファンを喜ばせた。
 西武・秋山が尊敬する松坂から2年連続の先頭打者アーチ。同じく西武・森は、その松坂から2ランをマーク。「将来、あの松坂さんから打ったと一生の思い出になる」と語り、MVPに輝いた。鈴木誠也は、広島の4番として面目を保ち、横浜DeNA・宮崎は、西武・菊池の133キロの直球を見逃さなかった。ホームランダービーで、6分間に23発を放って度肝を抜いた横浜DeNA・筒香は、3回に同点2ランを放っている。
 だが、その一方でピッチャーの見せ場である奪三振ショーは、わずかに5度。それも、森、ヤクルト・中村は、厳しいコースをつかれての見逃し三振で、思わず声が出てしまうような圧巻の奪三振ショーは、9回に実現したオリックスの守護神、増井と巨人の新4番、岡本の対決くらいだった。
 増井はフォークを封印して全球直球勝負。153、150キロと直球で押してファウルでカウントを稼ぐと最後は148キロのインハイの直球で空振りの三振にとった。

 奪三振ショーが見れなかったのは打者のレベルが高かったのか、それとも投手の力量が足りなかったのか。

 評論家の池田親興さんは、「直球勝負が美学になりすぎているように感じる。今季の結果、成績でオールスターに選ばれている投手は、何もストレートだけを武器にして勝ってきたわけではない。その自分の形、スタイルで勝負すべきで、直球勝負がイコール真剣勝負ではないと思う。ストレート一辺倒で勝負すれば、当然、打者が有利になるだろう。松坂にしてもそう。今季はボールを動かし変化球を駆使して相手に的を絞らせないピッチングスタイルに変えて復活を果たしたのだが、この日は、ストレート系を軸にしたシーズンとは違うピッチングパターンになって打たれた。昔の時代と比較することはナンセンスだが、今の時代に合わせた真剣勝負にオールスターも変わっていいのではないか」という意見。奪三振ショーが見られなかった理由のひとつには、直球勝負の美学という弊害があると見ている。