QRコードを使った決済サービス導入をめぐり、手数料競争が勃発しています。規格が乱立して市場は混乱気味ですが、利用者の選択肢が増えること自体はよいことです。市場を制するのはどの事業者になるのでしょうか。

写真:アフロ

 このところ店舗などの少額決済にQRコードを使ったシステムを導入する動きが活発になっています。QRコードによる決済は、店舗にあるQRコードを自分のスマホで読み取るか、スマホのアプリで自分のQRコードを表示し、これを機器にかざすことで決済完了となります。店側は紙にQRコードを印刷するか、タブレットが一台あればよいので、極めて低コストで運用することができます。

 クレジットカードや電子マネーは、専用機器を店舗に導入する必要があり、零細な商店では導入が難しいという問題がありました。QRコードを使った決済システムであれば、コスト面の問題が発生しないので、場合によっては電子決済が一気に普及する可能性があるわけです。

 SNS大手のLINEは、同社が提供する決済サービス「LINEペイ」におけるQRコード決済の手数料を3年間無料にすると発表しました。店側はコストゼロで電子決済できますから、これをきっかけにシステムを導入する店舗が増える可能性があります。決済システムはシェアがすべてですから、LINEとしては先行投資が大きくなっても、普及を急いだ方がよいという判断を行ったものと思われます。

 一方ライバルも指をくわえて見ているわけではありません。ヤフーも今年10月から手数料を無料にする方針であると報道されているほか、楽天やNTTドコモなどもQRコード決済に参入しています。複数の規格が乱立している状況ですが、淘汰が進み、いくつかの規格に収れんしていく可能性が高いでしょう。

 日本は先進国の中では突出した現金大国として知られており、銀行が負担するATMのコストは年間2兆円にもなると言われます。店舗側も現金確保のためにかなりの労力を投じており、これが社会全体の生産性を引き下げているという指摘もあります。

 QRコードを使った決済システムは、零細店舗での導入が可能ですから、社会のキャッシュレス化が一気に進む可能性があります。日本から現金が消える日も近いかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)