賞金トーナメントWBSSで井上は元スーパー王者のパヤノと対戦することになった

プロボクシングの世界一を決める賞金トーナメント、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)の「シーズン2」で新設されたバンタム級トーナメントの組み合わせ決定イベントが20日、ロシア・モスクワの「モスクワ・シアター」で行われ、WBA世界同級王者の井上尚弥(25、大橋)の1回戦の対戦相手は、元WBA世界同級スーパー王者のフアン・カルロス・パヤノ(34、ドミニカ共和国)に決まった。 イベントに参加した井上は、英語で「トーナメントに出れて興奮しています」とコメントした。

 組み合わせ決定イベントでは、最初に主催者が選んだ4人のシード選手が発表され、第1シードの選手から順番に対戦相手を指名していくというスタイルで対戦カードが決定していった。

 第1シードが、WBA同級スーパー王者ライアン・バーネット(26、英国)、第2シードに井上が選ばれ、第3シードが、WBO王者ゾラニ・テテ(30=南アフリカ)、そして第4シードがIBF同級王者エマヌエル・ロドリゲス(25、プエルトリコ)だった。ロドリゲスの相手は、IBFの指名試合として3位のジェイソン・モロニー(27、豪州)との対戦が決まっていたが、残りの3選手がシードされていない3選手を選んだ。

 まずバーネットは、元5階級制覇王者のノニト・ドネア(35、フィリピン)を指名、続いて第2シードの井上が、元WBA世界同級スーパー王者のパヤノを指名した。

 パヤノは、21戦20勝(9KO)1敗の戦績を誇る元WBA世界同級スーパー王者。KO率は低いが、L字ガードと言われるスタイルから、ドミニカンらしい独特のテンポとスピードで勝負する好戦的なサウスポーだ。

 アマチュアでキャリアを積み、アテネ五輪、北京五輪にフライ級で出場、いずれも2回戦で敗退したが、2010年にプロデビュー。2014年に後に山中慎介と2度の激闘を戦うことになるアンセルモ・モレノ(パナマ)に6回負傷判定で勝ち、バンタムのWBA世界スーパー王座を獲得した。2016年にルーシー・ウォーレン(米国)との再戦に判定負けして王座を失ったが、昨年1月にイサオ・ゴンザロ・カランザ(メキシコ)との再起戦を7回TKO勝利で飾ると、昨年8月にアレクシス・サンティアゴ(米国)に判定勝利、今年3月にもマイク・プラニア(フィリピン)を大差の判定で下してWBOインターコンチネンタルバンタム級王座を獲得している。パヤノには一発の怖さがなく、井上がパワーで圧倒するのは間違いない。ただ、井上がこれまで対戦したことのないスタイルのボクサーで、豊富な経験があるだけにつかみどころがなく油断は禁物だろう。

 パヤノも井上との対戦が決まり「とても興奮している。準備はできている。勝つために戦う」とインタビューに答えた。

 井上は、5月にバンタム転向初戦で、WBA同級王者のジェイミー・マクドネル(英国)を1回衝撃のKO勝利で下して3階級制覇を達成、WBSS参加への弾みをつけた。その際、WBSSについて「どの選手と対戦しても一緒。相手がどうこうより自分を仕上げていく」と語っていた。
 パヤノとのWBSS1回戦の試合日程と場所は、後日発表される。