宮本恒靖はガンバ新監督として成功できるか?(写真・アフロスポーツ)

 シーズンを折り返したJ1で16位に低迷するガンバ大阪は23日、レヴィー・クルピ監督(65)を電撃的に解任。後任に日本代表のキャプテンとして2度のワールドカップを戦い、ガンバでも守備の要として活躍したレジェンド、ガンバ大阪U-23の宮本恒靖監督(41)を昇格させることを決めた。

 セレッソ大阪監督時代に香川真司(現ボルシア・ドルトムント)を育て、乾貴士(現レアル・ベティス)らを覚醒させた手腕を買われ、今シーズンからガンバの指揮を託されたブラジル人のクルピ前監督だったが、開幕から6試合連続で未勝利に終わるなどいきなりつまずいた。

 ワールドカップ・ロシア大会に伴う中断期間が明けても首位サンフレッチェ広島に惨敗するなど、チーム状態は好転するどころかむしろ悪化。22日の清水エスパルス戦でも苦杯をなめ、リーグ戦で5試合続けて未勝利となった状況を受けてフロントが決断した。

 オーストリアのレッドブル・ザルツブルクをへて、ヴィッセル神戸でプレーした2011年オフに現役を引退した宮本新監督は、2015シーズンから古巣ガンバのアカデミーコーチに就任。昨シーズンはJ3に参戦するU-23チームの監督を務めたが、開幕5連敗に加えて8月下旬から10月にかけても泥沼の8連敗を喫するなど、17チーム中で16位に終わった。

総得点31はガイナーレ鳥取と並ぶリーグ最少で、総失点65は同最多に終わった監督1年目の悲惨な数字を、しかし、額面通りに受け止めることはできない。J3で2年目を迎えた今シーズン。3勝1分け1敗と白星を先行させていた開幕直後に、宮本監督はこんな言葉を残している。

「今年は単純にプロの選手だけでやれている、というところが違いますね。去年は人数が少なかったので、2種登録の高校生の選手を入れざるを得ない状況のまま、シーズンをすごしたので」

 昨シーズンは長谷川健太元監督(現FC東京監督)の方針もあって、トップチームとU-23チームが完全に切り離された。練習時間も別々ならば、芝生の保護を理由に万博記念公園内の練習場も使用できず、J-GREEN堺など府内のグラウンドを転々と回った。

 トップチームとの選手の行き来もなく、常に少人数での活動を強いられたゆえに、週末のJ3へ向けて選手をそろえるのにも四苦八苦した。同じ2種登録選手でも将来を嘱望されるホープと、人数合わせのために応急処置的に登録した選手とではまったく異なる。

 いわば必然でもあった大苦戦の連続を、宮本監督は努めてポジティブに受け止め、目の前にある環境のなかでまずは育成に注力した。我慢を重ねながら起用し続けた高卒ルーキー、高江麗央(東福岡)と高宇洋(市立船橋)のボランチコンビはその象徴となる。