日本では、今後、深刻な人手不足が予想されており、多くの人が労働市場に出てこなければ、業務が回らなくなるという事態も考えられます。しかし、何割の人が働きに出ているのかという数字は、地域によって差があるようです。

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 日本では専業主婦世帯が多く、全員が働くというイメージはありませんが、実態はまったく逆です。先進諸外国と比較すると日本の就業率はかなり高く、どちらかといえば老若男女問わず働いている社会といえます。

 それでも、どのくらいの人が働きに出ているのかという割合は地域によって大きな差があります。総務省の就業構造基本調査結果によると、日本の有業率(統計が違うので用語が違っていますが、就業率とほぼ同じです)は76%ですが、もっとも高い福井県は80.3%に達しています。

 福井県は以前から有業率が高い県として知られており、子供の面倒は祖父母が見るケースが多いといわれています。2位は山形県、3位は富山県、4位は島根県、5位は長野県ですから、首都圏や関西圏から離れた地域の方が、有業率が高いという傾向が見てとれます。

 有業率が高い県は、あまり稼ぎが良くないというイメージがありますが、それでもダブル・インカムの効果は大きいようです。1人あたり県民所得のランキングでは福井県は14番目と上位に位置しており、大阪のひとつ下です。時間あたりの給料は安いかもしれませんが、夫婦が共に稼げば世帯収入の絶対値は多くなるわけです。

 日本は今後、人口が減少し経済が縮小していくことが確実視されており、同じ経済水準を維持するためには、より多くの人が就労する必要があります。世帯単位で見た場合、収入を増やすもっとも手っ取り早い方法は、主な稼ぎ手の給料を上げることではなく、夫婦の両方が働くことであるのは明らかでしょう。

 最近は、社会人になっても独立せず、引き続き実家で暮らすという人も増えています。一部では親離れできないことを批判する声もあるようですが、この社会情勢ではやむを得ないでしょう。夫婦が共に働き、子育てのノウハウを持つ親に育児を手伝ってもらうという福井県スタイルは、これからの日本にとって、ひとつの標準的なスタイルとなるかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)