スポーツジムに通うなど健康増進につながる行動を実践すると保険料が安くなるという新しい保険商品が登場しました。利用者はどのくらいお得になるのでしょうか、また、保険会社がこうした商品を販売することにはどのような背景があるのでしょうか。

健康増進型保険商品「Vitality」のプロモーションサイト

 住友生命保険は7月24日、健康増進型保険商品「Vitality」の発売を開始しました。一般的な保険商品は、加入時点での健康状態を元に保険料を算出し、病気などのリスクに対処するという考え方がベースになっていました。言い方は良くないですが、保険加入者が今後、何%の確率で死亡するのかを計算する商品ということになります。

 しかし、保険加入者の健康リスクは、保険加入後に、どのような生活を送ったのかによって大きく変わってきます。運動する、食生活を改善する、たばこやアルコールを避けるなど、生活習慣を改善することで健康状態が良くなることが統計的に明らかになっていますから、こうした人たちの保険料は理論上、引き下げることが可能となります。この考え方を具体的に商品に盛り込んだのが、今回発売された新商品です。

 保険加入者は加入後、毎年、会員用Webサイトから食生活や運動状況などの情報を入力し、所定の健康データを提出します。内容に応じてポイントが加算される仕組みとなっており、ポイントが多いほど保険料が安くなります。

 このサービスに加入した時点で保険料が15%割引となり、あとはポイントに応じて変動し、最大で30%安くすることが可能です。

 一連のサービスは、南アフリカの金融サービス企業であるディスカバリー社との提携で実現しました。ディスカバリー社は、世界各国で同様のサービスを提供しており、豊富なデータとノウハウを持っています。国内の保険各社も、健康診断結果の提出で保険料が安くなる商品を投入するなど、健康増進型保険に力を入れ始めています。これは一種のビッグデータのビジネスでもありますから、データの蓄積が進めば、さらに面白い商品が登場してくるかもしれません。

 保険会社各社は人口減少の影響で、保険商品の売れ行きが鈍化しており、対策を迫られています。従来とは異なるアプローチによって、新しい市場を開拓したいというのが保険会社側の狙いと考えられます。

(The Capital Tribune Japan)