これまでも、この連載で「障がい者雇用」というキーワードを何度か出してきた。しかし、皆さんがお気付きのとおり、「障がい者雇用」と一口に言っても、その難しさや奥深さに多くの企業はたじろいでいる。

【連載】寝たきり社長の働き方改革

障がい者雇用は強制されて行うものではない

 民間企業は、障害者雇用促進法により2018年4月より障がい者を全従業員の2.2%雇用することが求められている。2017年の厚労省の資料によると、障害者雇用率は50%だった。まだ半数を超えるには至っていない。2021年4月までには、さらに0.1%上乗せされ、2.3%に引き上げられる。

 取り組みは進んでいるものの、民間企業の障がい者雇用は遅々としている。その要因は幾つもあると筆者は考えているが、その中でも主な要因は、この定められた雇用率の存在自体と労働時間に関係があると考えている。

 まず筆者は、障がい者の法定雇用率のパーセンテージはどうでもいいと考えている。

 その理由は大きく分けて2つある。1つ目はパーセンテージによって「障がい者を雇用しなければならない!」という企業へのプレッシャーだ。

 はっきり言って、雇用に強制感を植え付けることは逆効果だと思うし、法律で決められた障がい者の雇用ではなく、戦力になるかどうかで見極めて採用するべきである。

 2つ目は業種業態によっても障がい者の向き不向きは当然あると思うので、雇用率という一本のラインを定めること自体も現実的ではない。

 そして、一番のネックだと筆者が考えているのが、「労働時間」である。よく筆者はメディア取材や講演会での質疑応答タイムに、こんなイジワルな逆質問をしている。

「仙拓の障がい者雇用率は何パーセントだと思いますか?」

 すると、9割以上の方は「あの仙拓さんだし、社長以外も障がい者の方が働いているから80%超えはしてるんじゃないでしょうか?」と答えてくれる。

 しかし、答えはゼロパーセントなのである。まず筆者は役員なので雇用率には関係はない。そして、ほかのスタッフも障がいのある人が何名もいるが、その人たちはなかなか週に20時間以上働くことができない。

 つまり、短時間労働者という扱いになるわけだが、現行の制度によると、このような週20時間未満の短時間労働者は障がい者の法定雇用率にはカウントされない。したがって、筆者の会社は、数字上は障がい者雇用は一切していないということになる。

 これだけ障がい者が働いているのにゼロパーセント。企業にとって、障がい者雇用率のパーセンテージが高ければ高いほど名誉なことだという風潮があるが、筆者は正直、それが100だろうが0だろうが、実にどうでもいいことだと思う。

 実際問題、今うちの会社で働いているスタッフは、各人それぞれ何かしらの能力が高いので、おそらく彼らに障がいがあってもなくても筆者は雇っている。そして仙拓は、現在進行形で日々成長している。

 つまり、障がい者雇用はパーセンテージにこだわって行うものでも、ましてや、国の制度に強制されて渋々行うものでもない。企業を成長させるために必要な手段である、ということだ。