[写真]サイエンティスト・トークでプラスチック汚染の広がりについて話す高田教授(右)

 「マイクロプラスチック」の問題が世界的に広がりを見せています。マイクロプラスチックとは、海などを漂流するプラスチックごみのうち、5ミリ以下の極小のプラスチック粒子のこと。これらは生態系や健康への影響というような危機を今後の地球にもたらす可能性を抱えているのです。

 前編では、こうした大量のマイクロプラスチックが海洋環境に影響を与えている現状について、九州大学の磯部篤彦教授、そして東京農工大学の高田秀重教授の研究を通じて紹介しました。後編では、高田教授を登壇者に招いて日本科学未来館が開いたトークイベントと参加者とのディスカッションから、私たちにはどんな対応ができ得るのか、考えてみたいと思います。

【図】このままでは怖いマイクロプラスチック(前編)知らないうちに拡散する脅威の源

使わなければ海への流出も増えない

このトークイベントは、「どうする?ごみだらけの海~石油文明が生み出したマイクロプラスチック問題」と題し、高田教授からマイクロプラスチック問題の現状を聞きました。高田教授はこの問題は国任せや企業任せにするだけではなく、自分たちの身近なところからも取り組むことは可能だと訴え、「今、私たちができること」として次の2つのことを参加者に伝えました。

(1)3つのRにも優先順位がある
 Reduce(リデュース)> Reuse(リユース)> Recycle(リサイクル)

 あらためて確認すると、リデュースとは「ごみを減らすこと」で、必要ない物は買わない、買い物にマイバッグを持参する、など。リユースとは「繰り返し使うこと」で、詰め替え用製品を選ぶ、不用品を譲り合う、など。リサイクルとは「ごみを資源化して再利用すること」で、ごみを正しく分別する、リサイクル製品を選ぶ、などが行動例として挙げられます。

(2)プラスチックは、特に使い捨てのものの使用を極力避ける、断る(Refuse)

 つまり、私たち消費者が今できるのは、身の周りからプラスチックをできるだけ減らしていく努力だということです。確かに、プラスチックがなければ当然海への流出もなく、マイクロプラスチックも増えません。しかしながら、これだけプラスチック製品が流通している理由には、安価に大量生産でき、「曲げやすい」「安定」「軽い」などといった特徴を生かして様々な製品に使えるという非常に大きなメリットがあることは否めません。