日本代表の新監督に就任した森保氏だが、五輪監督との兼任に問題は残る(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

 4年後のワールドカップ・カタール大会でベスト8以上を目指す日本代表の新監督にサンフレッチェ広島を率いてJ1を3度制し、昨秋からは東京五輪に臨むU-21代表を指揮している森保一監督(49)が就任することが26日に決定し、その就任記者会見が都内のホテルで行われた。

任期は2022年までの4年間。日本サッカー界がプロ時代を迎えた1992年以降では、A代表と五輪代表の兼任監督は2000年のシドニー五輪、2002年のワールドカップ・日韓共催大会を指揮したフィリップ・トルシエ氏以来、史上2人目となる。

 東京・文京区のJFAハウス内で26日午後に開催された臨時技術委員会で、人選を一任されていた関塚隆委員長(57)が候補を森保氏に一本化したことを報告。承諾を得た上で続けて行われた日本サッカー協会(JFA)の理事会に推挙し、全会一致で承認された。

 会場を東京・港区内のホテルへ移して、急きょ行われた就任会見。契約書にサインをしたためた上でJFAの田嶋幸三会長(60)、関塚委員長とともに登壇した森保監督は「日本サッカー界に貢献していければ」と抱負を語りながらも、意外な言葉を紡いでいる。

「2つの代表の監督を務めるのは本当に困難ですし、一人でやるのであれば不可能なことだと思いますが、日本サッカー界、日本代表を支えてくださる多くの方々の力をお借りしながらチームを作っていけば、その不可能が可能に変わり、大きな成果につながると思っています」

 さっそく難題が待ち構える。東京五輪世代となるU-21代表が出場する、4年に一度のアジア競技大会がインドネシアを舞台として来月に開催される。サッカー競技は8月14日にスタートし、決勝に残れば9月1日まで日本を留守にすることになる。

 一方でA代表としての初陣が9月7日、札幌ドームにチリ代表を迎えるキリンチャレンジカップとなるスケジュールがすでに決まっている。これまでの慣例通りなら8月30日前後に新生日本代表のメンバーが発表され、9月3日から札幌市内で合宿がスタートする。

 合宿にはギリギリで間に合うが、メンバー発表会見に出席できるかどうかはU-21代表の結果次第であり、何よりもJ1をはじめとする国内視察は8月に限れば満足に行えない。森保監督自身、こんな懸念を抱いたと就任会見の席で明かしている。

「A代表の監督を引き受けるときに、アジア競技大会があってキリンチャレンジカップもあり、視察はどうするんだろうということは最初に気になりました。体はひとつなので、日程が重なったところは不可能だと思っています」

 ここで脚光を浴びるのが田嶋会長、関塚委員長、そして森保監督が口にした「オールジャパンの力を結集する」という言葉だ。要は兼任を可能にするサポート体制を、どのように構築していくのか。方針を問われた田嶋会長にバトンを振られた関塚委員長から、具体的なプランが出てくることはなかった。

「今後、森保監督やコーチングスタッフ、ラージグループを支えながら、強化していくことはしっかりと議論していきたい」