[画像]台風12号の今後の見通しについて説明する黒良主任予報官

 気象庁は27日、強い台風12号の今後の見通しについて記者会見を開いた。台風12号は、東から西に進むという通常とは違う進路をたどる予想で、台風の通過後も大雨が続く恐れがあるなど、土砂災害や洪水、高波などの災害の場所やタイミングなどに関して「これまでの経験が通用しない可能性がある」と指摘。「特別警報を待つことなく、自治体の避難勧告などに従って早めに避難を」と警戒を呼びかけた。

【図】気象庁「危険度分布」土砂災害警戒判定メッシュ情報

多いところで500ミリの大雨

 気象庁によると、台風12号は27日12時現在、小笠原諸島付近を北上している。今後、速度を上げながら北上した後、次第に進路を西寄りに変え、28日午後には関東甲信地方に接近し、29日明け方までに東海地方か西日本に上陸する見込み。29日は西日本付近を減速しながら西へ進むという。

 29日12時までの24時間の雨量は多いところで、関東甲信地方が300~500ミリ、東海地方が300~400ミリ、近畿地方と中国地方が200~300ミリと広範囲で大雨となる恐れがある。

 気象庁の黒良龍太主任予報官は、現時点で台風12号の勢力は「強い台風」までと予想しているが、場合によっては「非常に強い台風」まで発達する可能性があるとした。

通常と違う「東から西」コース

 通常、台風は西から東に進むが、今回は東から西へ進むという「これまでにない経路をたどる予想」(黒良氏)だという。

 いつもと違うコースをたどることでどんなリスクがあり得るかについて、黒良氏は、「台風の通過後も大雨が続く恐れがある。また通過後に短時間豪雨や激しい突風が起こる可能性もある」と述べた。通常の「西から東」のコース場合は、台風通過後には乾いた北寄りの風に変わって大気の安定度が増すのに対し、今回の「東から西」コースの場合は、台風通過後に湿った南風が入る。それによって、大気の不安定な状態が続き、通過後も大雨が続く恐れなどがあるという。

 「今回は台風のコースが通常と異なるために、雨の降り方や(海の)波の立ち方、タイミングが変わってくる。これまでの気象災害がなかった場所、台風が通過して安心していたところに高波が来るとか、これまでの経験が通用しない場合がある。自分の家は大丈夫と思わないで」と注意を促した。