ロシアW杯での武藤嘉紀。名将ベニテスもクオリティと激しさを評価(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

先のワールドカップ・ロシア大会で日本代表FWとしてメンバー入りしていた武藤嘉紀(26)のマインツからプレミアリーグ、ニューカッスルへの完全移籍が決定、イングランドサッカー協会(FA)の労働許可を待つだけの段階になった。英メディアの Chronicle Liveは、「ベニテス監督がルジューヌの怪我に動揺して、新しいストライカーとセンターバックを希望していた」という見出しで武藤の獲得に至った背景を伝えた。

 同紙によると、2季前にはエイバルで乾貴士と一緒にプレーしていたセンターバックのフロリアン・ルジューヌ(27)の故障で、8月11日の開幕に間に合わなくなったため、ラファエル・ベニテス監督(58)が代役のセンターバックと同時に、得点力を強化するため、ストライカーの獲得をフロントに要望したという。

 同紙の取材に対してベニテス監督は、「武藤(との交渉)は終わったが、就労ビザを待っているところ。彼はロシアワールドカップで、非常に良いチーム(日本)でプレーしていた。ブンデスリーガでも良いプレーを見せていた。我々は国際レベルで過去数年活躍をしているストライカーについて話を進めてきた。彼には、クォリティーがあり、高いエネルギーと素晴らしい動きに加え、チームが必要としている激しさを我々にもたらしてくれる。彼には何の問題も見当たらない」とコメント。武藤を絶賛した。

 ベニテス監督はリバプール監督時代の2004-2005年シーズンに欧州チャンピオンズリーグで優勝を手にした名将。インテル、チェルシー、ナポリ、レアル・マドリードというビッグクラブでの監督を経て、2016年3月よりニューカッスルの監督にシーズン途中から就任。一度、チームはプレミアから降格したが、すぐに再昇格させ、昨シーズンは10位に終わっていた。浮上を義務づけられているシーズンだからこそ、ワールドカップで世界を驚かせた日本代表チームでプレーした(ポーランド戦)武藤に目をつけたのかもしれない。

 また英サッカー専門メディアのFootball365は「ニューカッスル、13人目となる移籍金8桁選手との契約を認める」との見出しで「ニューカッスルが日本人フォワードの武藤嘉紀と契約するためマインツと1000万ポンド(約14億5000万円)の移籍金で合意した。プレミアリーグ・クラブ(のニューカッスル)は、契約は26歳の武藤が必要とする就労ビザの認可待ちにあると語った」と伝えた。

「英国サッカー協会は日本代表の常連とはなっていない武藤にニューカッスルへの加入を認めるかどうかの決断を下すための聴聞を行う」とし、ニューカッスル側も「ニューカッスル・ユナイテッドはきょう、日本代表の武藤嘉紀がクラブ移籍を前にタインサイド(地方)に入ったことを認める。マグパイズ(チーム愛称)と武藤の所属クラブのFSVマインツ05は合意を正式に交わし、選手はメディカルチェックを行い、契約にも合意した。移籍については現在、来週後半に行われる政府機関による聴聞次第となる」との声明を発表した。

記事は、また「武藤はニューカッスルのチーム史上わずか13人目となる移籍金8桁の選手となる」とし、1000万ポンド以上(約14億5000万円)で移籍した選手のリストを紹介。英国代表だったマイケル・オーウェン(2005年、1600万ポンド<約23億2500万円>)、アラン・シアラー(1996年、1500万ポンド<約21億8000万円>)を筆頭とするクラブ史に名を刻む大物に肩を並べたことを伝えている。