今年は無風?!現在はカブスのダルビッシュだが、昨年はトレード期限ギリギリにレンジャーズからドジャースにトレードされた(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

MLBのトレードデッドライン(31日米東部時間午後4時、 日本時間8月1日午前5時)が刻々と迫る。
 昨年は期限直前でダルビッシュ有(現カブス)のドジャース移籍が決まり話題になったが、今年に関して言えば、どこまでそうしたドラマがあるかわからない。というのも、今年は動きが比較的早く、選手、球団を含めた“キープレイヤー”たちがすでに移籍を終えているからだ。

 ここまでの主な移籍選手は以下の通りだ。

・ マニー・マチャド(オリオールズ→ドジャース)

・ ザック・ブリトン(オリオールズ→ヤンキース)

・ J.A.・ハップ(ブルージェイズ→ヤンキース)

・ コール・ハメルズ(レンジャーズ→カブス)

・ ジェウリス・ファミリア(メッツ→アスレチックス)

・ マイク・ムスターカス(ロイヤルズ→ブルワーズ)

・ ブラッド・ハンド(パドレス→インディアンズ)

・ マーティン・マルドナド(エンゼルス→アストロズ)

・ ネイサン・イオバルディ(レイズ→レッドソックス)

 ヤンキースはブリトンとハップを獲得して、先発、リリーフにそれぞれ厚みを持たせた。ヤンキースのブルペンは元々リーグトップだが、石橋を叩いて渡るがごとく、慎重にポストシーズンに向けた準備を進めている。

 カブスもハメルズを獲り、先発を1枚加えた。先発陣の底上げにつながるかといえば疑わしいが、ダルビッシュが戻ってくるまで繋いでくれれば、というところか。

 ドジャースはマチャドを手にし、もはや大きな補強ポイントは見当たらない。これからけが人が復帰すると、先発が余るという贅沢な悩みを抱える。インディアンズの弱点はブルペンだったが、左腕のハンドを獲得し、さらにアンドリュー・ミラーの復帰が近いことを考えると、不安は払拭されつつある。

 昨年8月、ウェーバートレードでジャスティン・バーランダーを獲ったことが、ワールドシリーズ制覇につながったアストロズは、捕手のマルドナドとリリーフのライアン・プレスリー(ツインズ)を加えた。レッドソックスは、イオバルディを得てから静かだが、ブラッド・ジグラー(マーリンズ)、キーオン・ケラ(レンジャーズ)あたりを狙っているとされ、デッドラインまでにまだ仕掛けてくるかもしれない。

 さて、こうしてざっと上位チームの動きを俯瞰すると、動いても不思議はない、いや、動くべきチームが動いていない。

 イチローがデビューした2001年を最後にポストシーズンから遠ざかり、MLB全球団で、もっとも長くプレーオフに出場していないマリナーズは、オールスターゲームを挟んで失速し、アスレチックスに猛追されているわりには、先日、小さなトレードをまとめただけで、沈黙している。

 2015年9月28日に就任以来、53ものトレードをまとめ、“トレーダー・ジェリー”の異名を持つジェリー・デュポットGMは、ここからどう動くのか。

 チームに穴はいくらでもある。