カジノを中心とする統合型リゾート(IR)実施法が、7月20日の参院本会議で可決、成立しました。賛否両論があった同法案ですが、カジノ開設に向けて本格的に動き出すことになりました。

ペイレスイメージズ/アフロ

 今回、可決した法律は、全国3カ所を上限にカジノやホテルを一体化した施設の整備を認めるものです。日本は原則として賭博を禁止しており、競馬や競輪など、政府や自治体が運営する公営ギャンブルのみが特別法によって許可されてきました。現実にはパチンコという巨大な賭博産業が存在しているのですが、建前上、民間によるギャンブル運営を認めるのは初めてとなります。

 カジノをめぐっては、観光立国の切り札としたい政府や一部の業界関係者が強く実現を望む一方、ギャンブル依存症などに対する懸念から反対の声も上がっていました。

 今回の法律には、日本人や日本に住む外国人から6000円の入場料を徴収(訪日外国人は無料)することや、入場回数制限(7日間で3回、28日間で10回まで)が盛り込まれており、ギャンブル依存症を防ぐとしています。またマネーロンダリング対策として、日本人に対してはマイナンバーによる本人確認が行われます。

 外国のカジノでは、自国民も自由に入場できるところが多いですから、一連の措置によって日本人の利用がある程度、抑制されるのは間違いないでしょう。しかしギャンブル依存症の人には、この程度の措置では効果がないとの意見もあり、実際にやってみないと何ともいえない部分があるようです。

 日本のカジノに対する議論がややこしいのは、事実上のギャンブルであるパチンコが存在していることです。繁華街のどこにでも事実上の賭博場がある国というのは、世界でも極めて珍しく、パチンコをギャンブルとするなら、日本は実は世界有数のギャンブル大国ということになります。

 パチンコはギャンブルではないという扱いなので、ギャンブル依存症に関する詳しい調査もあまり行われていません。本来であれば、パチンコとの兼ね合いなどを含めて、もっと総合的に議論すべきテーマでしたが、観光立国という事情が優先されてしまった感があることは否めません。

 現時点でカジノができる場所は3カ所ですが、7年後には場所を増やすかどうかを見直す条項が含まれています。準備が順調に進めば、2020年代前半には最初のカジノが登場する見込みです。

(The Capital Tribune Japan)