宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2日、小惑星探査機「はやぶさ2」による観測で、小惑星「Ryugu」(リュウグウ)には、当初の予想に反して、水が存在しない可能性があることを明らかにした。

【中継録画】「はやぶさ2」のリュウグウ観測状況を報告 JAXAが会見

C型小惑星なのに「ちょっと意外」

[写真]高度約6キロから撮影したリュウグウ。2018年7月20日午後4時頃(日本時間)、望遠の光学航法カメラ(ONC-T)で撮影(画像提供:JAXA、東京大、高知大、立教大、名古屋大、千葉工大、明治大、会津大、産総研)

 はやぶさ2はリュウグウに水があるかを探索することを目標の一つとしている。観測は「近赤外分光計」(NIRS3)による近赤外線の反射スペクトル(光の強さ)を測定する方法で行われた。

 プロジェクトチームでNIRS3を担当する会津大の北里宏平准教授は「リュウグウ表面は予想していたよりも水が枯渇しているようだということが分かった」と述べた。

 現時点で表面の約90%を観測したが、「観測できている範囲ではほぼゼロ%に近い水分量」だという。ただ、まだ観測できていない北極・南極や地下に存在する可能性は残っているといい、「今後の観測でそれらを詳しく調べていきたい」とした。

 水を含む鉱物が見つかっていない理由としては、(1)前身となる母天体で水分を含む鉱物が生成されなかった、(2)二次的な加熱による脱水を経験した、の2つの仮説を挙げた。

 リュウグウは「C型小惑星」に分類され、炭素質で、表面の岩石などに水や有機物が残されていると考えられていた。こうしたC型小惑星は太陽系に多く存在し、観測できているうちの8割で水が確認されているためだという。

 ただ北里准教授は、予想に反する観測結果に対して、「おそらくわれわれの手にしたことのないものが今回の(着陸による)サンプルリターンで手に入るかもしれない」と今後の探索に期待を示した。

 ミッションマネージャの吉川真氏も「C型小惑星なので見つかると思ったら、ちょっと意外。初めていく天体で何が起こるか分からない。これも科学としては面白いデータ。ぜひ解明して、どういうことを意味しているのか突き詰めていきたい」と語った。

 水に関しては存在しない可能性が高くなったが、有機物については「水とは関係なく存在していると考える」(北里准教授)という。

 はやぶさ2は、リュウグウ上空から20キロの位置を観測基準点としているが、7月17日から8月1日にかけて、それぞれ高度を6キロ、5キロまで下げた観測を実施。7日には高度をさらに1キロまで下げる「重力計測降下運用」を行う予定。