名スカウトが選ぶ夏の甲子園気になる逸材スラッガー9人

いよいよ今日5日、阪神甲子園球場で記念すべき第100回全国高校野球選手権が開幕する。炎天下の下、代表56校が頂点を目指すが、プロが注目しているドラフト候補も聖地のグラウンドに立つ。元ヤクルトの名スカウト、片岡宏雄さんに注目の逸材をピックアップしてもらった。今大会は投手よりも投手も可能な万能のスラッガーに好選手が目立つという。

 暑い夏の戦いは、ネット裏に陣取る12球団のスカウトにとっても暑い戦いになる。
「スカウトにとって高校生は、ここが最後の成長チェックの場になるからね」
 ヤクルト時代、スカウトとして30年以上に渡って数多くの選手を発掘してきた片岡氏は、スカウトにとって夏の甲子園がいかに重要かを説明し、こう続けた。

「今大会は、どちらかと言うと投手より野手。大阪桐蔭の根尾のように投手もできる、打つ方も凄い、といった二刀流、万能型の選手が目立つね。メジャーで二刀流をやっている大谷翔平が出現したことや、練習、生活、トレーニング環境の充実など影響しているのだろう」

 片岡氏がピックアップした9人の中で二刀流選手は、大阪桐蔭の根尾昂、中央学院の大谷拓海、木更津総合の野尻幸輝、横浜の万波中正と4人もいる。

「チームにプロが注目するようなエースがいればピッチャーはやっていないだろう。今大会がスカウト目線では投低打高になるのは、そういうこと。彼らに対して、プロは野手としての評価で見ていると思う。中央学院の大谷は怪我に苦しみ苦労して復活してきた。馬力があってバットが振れる。こういう精神的に強くなった選手はプロ向きだ。根尾は、投手ではプロに入ってからの伸び幅は、そう期待できない。やはりプロではショートだろう。すでに打つ形ができているし肩が強い。ソフトバンクの今宮健太よりも打のスケールの大きいショートになれるかもしれない」

 根尾は北大阪大会で打者として打率.522、12打点の成績を残し、投手としても、準決勝、決勝に先発、決勝の金光大阪戦では完投している。

「スカウトが見るのは野手ではセンス。これは三つ子の魂は百までという世界だから。藤原、根尾、小園の3人は、野手ビッグ3と呼んでいいだろう。いずれも1位候補だが、その中でも特Aをつけたいのは大阪桐蔭の藤原。1位指名で重複する選手だ」

 片岡氏が「野手ビッグ3」と表現したのは、大阪桐蔭の藤原恭大・外野手、前出した投手、遊撃、外野の三刀流OKの根尾、報徳学園の小園海斗・遊撃手の3人だ。その中でも藤原の存在が頭ひとつ飛び出ているという。
「藤原のボールの呼び込み方にはセンスと間があり、スイングは力強い。それだけでなく肩があり足もある。しっかりと3拍子が揃っている。プレーヤーとしてのバランスを考えると松井秀喜の高校時代よりも上。ソフトバンクの柳田悠岐に比べてパワーは少し見劣りするが、そのレベルにある」
 
 藤原は、北大阪大会で打率.636、2本塁打、15打点のチームトップ成績で春夏連覇に挑むチームを甲子園へ牽引した。

「小園は打撃センス抜群。足も速いし、西武の源田壮亮、中日の京田陽太ら最近のプロ野球に出てきたスピードを兼ね備えた好ショートの流れに乗れる選手だ」
 小園も東兵庫大会で打率.333、1本塁打、3打点の成績で4本打った二塁打が光る。快足と次の塁を狙う“野球脳”の数値が高い。