6年前にロンドン五輪ミドル級で48年ぶりの金メダルを獲得した村田が、今さら山根会長から誹謗中傷を受けている(写真・ロイター/アフロ)

ロンドン五輪の金メダリストでWBA世界ミドル級王者の村田諒太(31、帝拳)が4日、キャンプ先の沖縄で自身のフェイスブックに長文を掲載、日本ボクシング連盟の山根明会長(78)がテレビ出演して自身を誹謗中傷している事案に関して、「何一つ気にしていない」「再興する会のメンバーではないが会を支持する」「名誉毀損裁判は起こさない」という考えを表明した。

 村田は、「日本ボクシングを再興する会」が、日本ボクシング連盟の助成金の不正流用や、審判不正など様々な問題点を指摘する告発状をJOC(日本オリンピック委員会)、内閣府、スポーツ庁など関係6団体へ提出した際、「そろそろ潔ぎよく辞めましょう。古き悪しき時代の人たち」とFBで発信した。

 だが、村田の反撃がよほど気に障ったのか、3日に次々とテレビ出演した山根会長は、「生意気だ」「一人で金メダルを取る力はなかった」「頭がおかしくなったんじゃないの」と村田を強烈に批判。関西ローカルの番組では、明らかな名誉毀損にあたるような発言までされていた。特にロンドン五輪での金メダル獲得について、“俺が取らせた”という持論まで展開。録画インタビューのため、そのほとんどがカットされたが、放映できないほど村田批判のオンパレードだったという。

 SNS上の村田ファンや、友人知人から「勝手なこと散々言われて落ち込んでない?」と心配する声が相次いだため、「何一つ気にしていないので大丈夫です。笑(原文ママ)」と、自らの心境を伝えた。

「本当、ご心配いただくのが申し訳ないので、この件、ちゃんと発信して終わりたいのですが、そもそも僕は第三者として意見を言っただけで、この件を訴えた側でもなんでもありません。勿論、再興する会を支持していますが、何より現役アマチュアボクサー達にとって良い環境になるように、願うところはそれだけです。メディアはネタにしたいから、あたかも僕が先陣切っているかのような映し方にすら見える時もありましたが、再興する会のメンバーでもありません。元アマチュアボクサーとして、個人の気持ちをぶつけたまでです。
ですので、この一件が良い方向に向かい、アマチュア界が良くなった時に賞賛されるべきは、反社会勢力との付き合いがあるとまで言う相手に、勇気を持って立ち向かった、鶴木さんや仁多見さん、宮崎の菊池先生を始めとする皆様だと思います」

 村田は一連の騒動に巻き込まれた感のある被害者だ。

 告発状に村田に関する記述は、一切なく、実際は、いくらでも山根会長を告発する材料が、村田にもあるのだが、今さら、それをぶり返すつもりはない。沈黙を守っていたのに、ここまで火の粉を浴び、名誉を傷つけられると黙っていられないのが本音だったのだろう。

 村田は「五輪のことも言われていますが、一緒に戦ったコーチ、選手達は、全てを知っていますので、それで良いのです」とも綴っている。
 
 山根会長の長男で、決勝のセコンドに突然、謎の参入を果たした現在会長代行の昌守氏がロンドン五輪の選手村で、どんな行動をしていたのか?などのすべてを現在は、山根派と呼ばれている理事や、当時のロンドン五輪出場選手は知っている。だから、村田はあえて、そういう批判を口にするつもりはない。