連盟は山根元会長の完全撤退を表明したが、まだ不安は残る

日本ボクシング連盟の山根明元会長が態度を保留していた関西ボクシング連盟会長、奈良県ボクシング連盟名誉会長の職と会員も辞任し、日本連盟から完全に身を引いたことを15日、日本連盟が公式ホームページ上で表明した。「関西ボクシング連盟及び奈良県ボクシング連盟につき、いずれも役員・会員を辞任することにつき、確認をしました」と発表したもの。同HPによると、この日、山根元会長は、吉森照夫専務理事と大阪市内で約1時間に渡って面談。山根元会長は「日本ボクシング連盟の会長と理事を辞任すると報告した時からボクシング連盟への関与を全て辞める意向であり、その旨伝えていたと考えていたが、本日はそれを具体的にお伝えした」と、話したという。また山根元会長は、「この度のことで選手や保護者及び役員の皆さんに大変不安な思い与えたことについて深くお詫びしたい」と、謝罪の意も伝えた。

 この告知は、山根元会長の名誉を傷つけないように都合よく書かれていたが、関係者の話によると、山根元会長は、会長、理事は辞任したが、地盤のある関西での地位と会員の籍は残して、反撃の機会を伺う動きを見せていた。テレビメディアに「死ぬまでアマチュアボクシングに関係する」「おれは昔から無冠の帝王」「これからです」とも発言していた。

 そのため13日に日本連盟は山根元会長の会長、理事職の辞任を発表したが、関西連盟、奈良県連盟の地位と会員の辞任までは踏み込めず、同時に18日に大阪のエディオンアリーナで行われるアンダージュニア王座決定戦で、関西連盟、奈良県連盟の関係者への取材自粛を要求するという“とんでも告知”まで行っていた。山根元会長の来場と、まだグレーのままになっていた関西連盟、奈良県連盟の会長、名誉会長の問題をマスコミにつつかれることを恐れていたのだ。
 しかも、この件については、吉森専務理事も、「関西連盟が考えること。私は関東連盟ですから口出しできない」と、日本連盟の幹部の立場を放棄するような無責任な発言で、山根元会長が、関西連盟の会長として居座ることをまるで黙認するような姿勢を明らかにしていた。

 では、なぜ8日の辞任会見から1週間経って、突然、山根元会長は“完全撤退”を宣言したのか。
 
 実は日本連盟の一部の幹部が反社会的勢力との交友を認めた山根元会長が、このまま連盟に居座ることの悪影響を問題視。20日に立ち上がる予定の第三者委員会の調査、或いは、JOC(日本オリンピック委員会)の処分に影響を与えることになるため、それを危惧した幹部が、山根元会長にすべての籍を辞任してもらうように説得を続け、ようやく、この日になって、本人が納得、正式発表となったのが事の真相のようだ。

 ようやく山根元会長の“完全排除”に成功したが、まだすべての不安が消えたわけではない。