外国政府による自国民向けの渡航注意情報に日本の性犯罪に関するリスクが記載されていることがネットで話題になっています。「chikan(痴漢)」という単語も使われており、不名誉な日本語として定着してしまう可能性も出てきています。

イメージ写真:アフロ

 各国政府は自国民に対して、外国に渡航する際の注意事項を示しており、日本でも外務省のサイトに行けば、各国で注意すべき事項をチェックすることができます。

 英国政府の渡航情報サイトには、何と日本の性犯罪に関する記述があり、ネット上では「日本の恥」と話題になっています。サイトでは、日本ではレイプ事件は希にしか発生しないとしながらも、日本では性犯罪の被害の立証について、被害者側に高い負担があるとしており、女性の人権が守られていないという状況が示されています。また、通勤列車内で痴漢の被害が発生することは一般的であるとも書かれています。しかも困ったことに「chikan」という単語まで使われています。

chikan(痴漢)が英語として使われている(英国政府のサイトより)

 同様の記述がガイドブックや英国以外の渡航注意情報に記載されているというネット上の報告もあることを考えると、実は日本の性犯罪の状況は、わたしたちが考えているよりも広く認識されている可能性があります。

 日本の悪い習慣や現象が、そのまま英語になって世界で流通するというケースは少なくありません。karoshi(過労死)という単語はその代表ですし、keiretsu(系列)という言葉も日本企業が絶好調だった1980年代まではよいイメージでしたが、その後は閉鎖的というニュアンスで使われることが多くなりました。

 こうした海外の情報に接した際、「日本と外国は文化が違う」「外国にもひどいところがある」といった意見が出てきますが、このような考え方は徐々に通用しなくなっていると認識した方がよいでしょう。その理由は社会のIT化とグローバル化です。

 国によって言葉や文化は様々であり、民主化のレベルも様々ですが、ビジネスや私生活における基本的なルールやマナーについては、ネットの急速な普及によって全世界的な基準が確立しつつあります。これは先進国でも新興国でもあまり違いはありません。こうした共通基準においては、受動喫煙や性犯罪は軽微なものであっても許容されないというのがスタンダードな価値観となっています。完全に鎖国して外国人の入国を拒否するなら話は別ですが、「日本は違うんだ」という理屈はもはや通用しないと考えた方がよさそうです。

(The Capital Tribune Japan)