政府は慢性的な人手不足を解消するため、外国人労働者の本格的な受け入れに舵を切りました。外国人労働者が働く職場と聞くと、工場の生産ラインや、コンビニ、飲食店といったところが思い浮かびますが、外国人労働者に依存する業界はそれだけではありません。日本人の食の根幹を担う農業も外国人の労働力に依存した業界として知られています。

写真:アフロ

 一般的に外国人労働者が多く集まる地域は、大都市圏と製造業の工場が集中して立地する地域になります。外国人労働者の絶対数が多いのは、東京、愛知、大阪、神奈川、福岡、広島といった地域です。

 東京、大阪、神奈川、福岡は都市部のサービス業に従事する割合が高く、トヨタの工場がある愛知、マツダの工場がある広島では製造業の割合が高くなっています。その他の地域でも、一般的に製造業とサービス業の比率が高いという特徴が見られます。

 しかしながら、外国人の労働力に頼っているという点では、農業はさらに依存度が高いかもしれません。

 野菜農家が多い茨城県では、約3600人の外国人労働者が農家で働いており、栽培や収穫といった業務に従事しています。同じく野菜の栽培が盛んな長野県も外国人労働者がいないと農家の経営が成り立たない状況となっています。

 世の中では「日本の農業を守れ」といった意見を耳にする機会は多いのですが、それ以前の問題として、外国人労働者に頼らなければ農作物の栽培もままならないという状況になっているのです。また、愛知県や広島県に外国人労働者が多いことからも分かるように、日本のモノ作りを象徴する自動車産業も外国人労働者なしでは事業が成り立たないことが分かります。

 農業や自動車という、日本人の生活の根幹を担う産業が、外国人労働者によって支えられている以上、外国人労働者の本格的な受け入れは不可避と考えることもできるでしょう。

 政府は今回の方針転換について、あくまでも一時的な労働者の受け入れ拡大であって移民政策ではないと説明しています。しかし、大量の外国人労働者を受け入れれば、その一部は日本社会に定着し、確実に移民になっていきます。外国人労働者なしでは日本の基幹産業が成り立たない以上、移民として受け入れ、共存していく努力が必要となるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)