長野市内のビルと商店の間に祭られたミニ道祖神で18日、宵宮祭りが行われ、道行く人の目を引きました。普段は通行人の目にもとまらない存在ですが、宵宮祭りには神主や近所の人々も集まり、地元の人もあらためて道祖神の存在に気付きます。同市内をはじめ、全国の街角にも小さな道祖神などが多数存在し、これから秋にかけて神々を迎えるシーズンになります。

ビルと商店の「すき間」に

[写真]ビルと商店のすき間に古くからある道祖神で宵宮祭り

 善光寺表参道の中央付近にある劇場のビルと商店の間の幅2メートルほどの「すき間」にあるのは「上後町(かみごちょう)道祖神社」。周囲は高層マンションや商店、居酒屋、アーケードなどが集中する県内でも一番の繁華街で、普段は道祖神もほとんど気付かれない存在です。道祖神そのものも高さ2メートル余、幅1メートル余とミニタイプ。

 宵宮祭りのこの日は、地元の多くの神社の宮司を務める斎藤安彦氏(58)が祭事を行い、近所のビルや商店の関係者、住民ら10数人が地域の安全を祈りました。

[写真]歩道上を一時借りての祭事に通行人も注目

 道祖神は歩道に直接面しているため、斎藤宮司が打ち鳴らす太鼓や祭壇も歩道上に設けての「街頭宵宮祭り」。通行人が祭壇の前を横切る中で、おごそかに行われました。

 斎藤宮司によると民間信仰のこの道祖神は、現在の市街地に農業用水がいくつも流れていた数百年前に、地域の安全を願って祭られたとみられ、「旅人の道中の安全、悪い神様の侵入を防ぎ地域の安全を守る神様としても人々が祈りを込めていたようです」。

 通りがかりの通行人もビルの間から歩道上に突然出現したお祭りに目を引かれ、「こんなところに神様がいたのか」といった表情。親子連れも立ち止まり「これはなあに?」と問う子どもに母親が「神様ね。道祖神」と説明していました。

 同市内では各町内の神社の祭りもこれから始まり、地域によっては小さな屋台を引き、家々を訪れて静かに打ち鳴らす笛、太鼓の音と風情を楽しむ季節になります。


■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者・編集者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説