夏の甲子園でのナンバーワン投手、金足農・吉田は松坂クラスの直球の質だという

 第100回全国高校野球選手権大会の準々決勝4試合が18日、甲子園球場で行われ、金足農業が9回無死満塁からの逆転ツーランスクイズという劇的な勝ち方で近江を下し34年ぶりのベスト4進出を決めた。ドラフト候補として、急上昇してきたエース、吉田輝星は7安打2失点で4試合連続の完投勝利。9回無死一、二塁のピンチを切り抜け、最後の打者、瀬川将季に対しては「9回表は全力で投げました。みんなに助けられたので、今度は逆転の流れを作るという思いでした」とフルカウントからインサイドに渾身のストレート。141キロの糸を引くようなボールでバットに空を切らせ10個目の三振を狙って奪った。これで4試合連続の2桁奪三振となったが、これは2012年の桐光学園、松井裕樹(楽天)以来、7人目となる快挙だ。

 試合前には、疲労からか股関節に異常を感じ「100パーセントの体調ではなかった」というが、前半はコントロールとボールのキレを重視。ストレートも140キロ程度に、抑え気味にするピッチングでゲームを作り、8、9回と、続いた無死一、二塁のピンチにギアをあげた。

 大会前に「投手ではナンバーワン」と評価していた元ヤクルトのスカウト責任者で古田敦也や、伊藤智仁らを指名した名スカウト、片岡宏雄さんも、吉田のピッチングを絶賛した。

「前半は少し力を抜いていたね。それでコントロールが安定した。後半は力を入れてピンチで踏ん張った。ストレートの質の高さが吉田の魅力だろう。いいスピンがかかっている。狙って空振りを取れるピッチャーは、そうはいない。それと体のバランス、フォームのバランスがいい。176センチ、81キロの体格は決して小さくはなく投手としては理想的だろう。守備力もあるし、変化球も多彩。コントロールを含めた総合力では叶わないが、ストレートのボールの質と速さは、松坂大輔クラスだと思う」

 片岡さんがスカウト時代に見てきた投手と比較すると横浜高時代の松坂大輔に匹敵するほどのストレートだという。今大会では、3回戦の横浜戦の9回、161球目に自己最速となる150キロをマークしている。