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 通勤通学を支える公共交通機関の要といえば電車です。特に都市部では台風や大雪などの災害や事故で通常運転できなくなるたび、市民生活に混乱が生じています。

 同じく地下鉄利用者が多い大都市アメリカニューヨーク市ではこのほど、通勤ラッシュの緩和などを狙い、新たにスタートしたフェリーの運航が好評なようです。

 来春からは主要区間で15カ月におよぶ工事が始まることもあり、さらに通勤利用者が増えることが予想されています。果たしてフェリーはニューヨーカーの新しい“足”として定着するのか。

 ニューヨークブルックリン在住のライター、林菜穂子さんの報告です。

来年4月から地下鉄トンネル工事、22万5千人の利用客に影響

Lライン、ベッドフォード・アベニュー駅から歩いて到着したノース・ウィリアムズバーグの埠頭からウォール・ストリート行きに乗り込んだ(8月11日夕方)。対岸に目的地マンハッタン島がみえる。先がとがっている高いビルがニューヨーク名所、エンパイアーステイトビル。2階のデッキにて

 ニューヨーク市を中心に公共交通機関を運営するMTA(メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ)によると、地下鉄Lラインの平日1日の利用者数はおよそ44万人、そのうちイーストリバーを渡ってマンハッタンに向かうのは22万5千人だという。

 Lラインはブルックリンのカナージーからイーストリバーを挟んだマンハッタンの8番街を約40分で結んでいる。乗降客数も1990年以来、2倍以上に膨れあがった。そのため朝夕の通勤ラッシュも東京近郊のそれを思わせる。タワーマンションの新住民で混雑するJRや東横線の武蔵小杉駅のようなのだ。
 
 いまそのLラインに大問題が浮上している。来年4月からトンネルの大規模改修工事が始まるからだ。しかも完了まで15か月もかかるという。
 
 6年前、イーストリバーの下を通るトンネルは大型ハリケーンの襲来で大きな損傷を受けた。現状、なんとか安全運行を続けているが問題を放置し続けるわけにも行かず、ついに決行となった。
 
 その間、トンネルは当然、使えない。日々の足を奪われることになる22万5千人は、一体どうやってマンハッタンに行き、帰ってくればいいのか?
 
 他の路線に乗り換えたり、工事期間中、特別ルートで運行されるシャトルバスで橋を渡るなどが順当かも知れない。体力に自信があれば自転車や徒歩での通勤も考えられるだろう。
 
 月150ドル程でドア・トゥ・ドア通勤が可能になる新手の相乗りバンサービスも登場するらしいが、むしろそれら車のせいで大渋滞が起きるのでは?と懸念する声もある。
 
 しかし、ごく単純に考えれば、結局のところ目の前の川さえ渡ってしまえばいい── 。実は、混雑も渋滞もイヤ、体力にも自信がないという人におすすめの代替案があった。