木村拓哉を特集したファッション誌『anan』(マガジンハウス)の最新号(8月29日号)が、物議を醸している。「夏の雨。木村拓哉」として、雨に打たれる木村の最新フォトが特集されているのだが、同誌の“電子版”に関しては木村の写真はすべてグレーに塗りつぶされているのだ。同誌は購入前にそれがわかるよう木村をはじめ、ジャニーズタレントの写真は掲載されていないことを伝えているのだが、それを読まずに思わず購入してしまったファンもおり、ジャニーズ事務所の相変わらず(?)のネット規制に戸惑いの声があがったのだが……。

ジャニーズタレント、ネット解禁第1号は関ジャニ∞・錦戸

 今年1月、これまでパブリシティ権などを考慮してネット上に所属タレントの写真を掲載することを原則として認めてこなかったジャニーズ事務所が一転、掲載を解禁したことが大きなニュースになったのは記憶に新しい。記者会見や囲み取材、舞台あいさつといった登壇時の写真に限り、ジャニーズ事務所が許可して取材に呼んだWebニュースサイトで使用することについて、枚数など一部制限はあるものの掲載が可能となった。”解禁第1号”となったのは、1月31日の夜に日本外国特派員協会で行われた関ジャニ∞の錦戸亮(主演映画『羊の木』の会見)だった。掲載は3枚までとの制限付きだったが、それまで1枚も使えなかったことを考えれば、大きな岩が動いた感があった。今後はジャニーズも全面解禁に向けて徐々に規制をゆるめていく端緒となるのでは?との観測もあった。

ネット解禁しても、『anan』電子版ではキムタクが見られない衝撃

 そんな前向きな流れを作っているジャニーズ事務所だが、今回は間違って買ってしまった人を中心にジャニーズ事務所の姿勢にあらためて疑問の声があがってしまった形だ。同誌ではジャニーズタレント写真のネット解禁以降も電子版では写真を見せていなかったが、元SAMPの稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の露出が増えているときだけに、「もしや、キムタクも」と思い、うれしさのあまり但し書きが目に入らず購入してしまったのかもしれない。写真がグレーに塗りつぶされたキャプチャー画面とともに、「何が面白いんですか? 何の目的ですか? 紙で買わない読者はいりませんか? 海外でも彼らを見たいのは理解出来ませんか? ファンに寄り添うってのは嘘ですか? 悔しくて泣けてきます」といった意見がツイッターに投稿されるなど、批判の矛先は、断り書きを入れていた『anan』にではなくジャニーズ事務所に向けられている。確かに海外在住のファンなどは紙の雑誌を入手するのに比べ、電子版のほうが圧倒的に手軽だ。

 「そもそもジャニーズ事務所は全面解禁したわけではなく、Webニュースに限り3枚まで許可しただけで、今後もケースバイケースの判断となっていくということは、1月の時点でメディアにも断っていました。だから、今回のケースは『anan』はもちろんジャニーズ事務所にも何ら落ち度はないわけですが、ネットニュースに3枚とはいえ解禁したことで、全面解禁への期待感が高まってしまったことが、今回一部ファンに大きな反感を買ってしまった要因になったのでしょう」と分析するのは、スポーツ紙の40代女性記者。

 週刊誌の50代男性編集者は、違ったアングルからこう指摘する。

 「電子書籍などで写真がNGになるのはキムタク、いやジャニーズだけではないですし、ジャニーズが電子版に掲載OKを出していないから紙の雑誌が売れて出版社も印刷業界も助かっている、なんていう見方もあります。別にジャニーズに忖度するわけじゃないですが、一概にジャニーズ側だけを責めるべき問題ではないんですよね。それに、本気で好きな人は紙の雑誌を買うでしょうし、ネットの場合は画像のコピーが容易でタレントの権利保護がコントロールしきれないリスクがあるのは否めません」

 とはいえ、いまやスマホで雑誌グラビアを見るという人もけっして少なくない。損得勘定でいえば、結局どちらがジャニーズ事務所とファンの双方にとって益となるのか。今後もしばらくは様子を見ながらの判断になりそうな情勢だ。

(取材・文:志和浩司)