新曲『今日という日に感謝して』への思いを語り合う山川豊(右)と中村幸照相差町町内会長(左)

 『アメリカ橋』などのヒット曲で知られる演歌歌手・山川豊が、故郷の三重をテーマにしたニューシングル『今日という日に感謝して』をリリースした。同曲の舞台の一つとなっている鳥羽・相差町(おうさつちょう)の「石神さん」は、「女性の願いを一つだけ叶えてくれる」というパワースポットとして国内外から注目を集めている。そんな同町の「公認ソング」にも選定された同曲には、中村幸照相差町町内会長も期待を寄せている――。

――一昨年にデビュー35周年を迎え、これまで「NHK紅白歌合戦」でも披露した『アメリカ橋』や『ときめきワルツ』をはじめ、数多くのヒット曲を世に放ってきましたが、意外にも故郷の三重をテーマにしたシングルの表題曲は今作が初とか?

山川:デビュー曲の『函館本線』のときから旅情歌はたくさん歌ってきましたし、自分でも意外なのですが初めてです。この歳になって、故郷を歌えること、あらためて自分を育んでくれた故郷を見つめなおす機会を得たことに感謝しています。

――今年10月には還暦を迎えますが、故郷に対する思いにも変化があるのでは?

山川:まったく違いますね。若い頃は余裕もなかったし、無我夢中でしたから。故郷がある人はみんなそうだと思うんですけど、歳を重ねるごとに故郷が恋しくなってくるんじゃないかな、と。自分のルーツを辿っていくと、最終的にはやはり故郷なんですよね。

――自身にとって故郷のイメージとは?

山川:親父やおふくろ……。ウチの方は半農半漁でしたから、おふくろたちは農業だけでなく、海女さんもやっていて、小さな船で海に出て潜っていて。朝から晩まで働き詰めの姿を見て、子供心に「大変な仕事をしているな」と。「大きくなったら少しでも楽をさせてあげたい」という気持ちになりましたし、自分が苦しい時や辛い時、おふくろが海に潜っている情景が浮かんでくるんです。

――故郷の情景とともに子供の頃の記憶が蘇ってくる?

山川:60年近い自分の人生、やはり力をくれたのは母親であり、父親であり、兄弟であり、故郷です。幼い頃に海や山で遊んだ楽しい思い出もありますし、デビューした当時、故郷の人たちが本当に応援してくれましたから。そのことは今も鮮明に記憶として残っています。