撮影:志和浩司

 桜沢鈴氏の4コマ漫画を原作とした綾瀬はるか主演ドラマ「義母と娘のブルース」(TBS系、火曜よる10時)が、好調のまま終盤に突入する。21日放送の第7話も平均視聴率15.1%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と上昇気流に乗り、今期の民放連ドラのトップランナーとなっている。物語自体の面白さや綾瀬のユニークなヒロインぶり、佐藤健はじめ共演陣の魅力の高さはもちろんのこと、子役からバトンを受けた娘・みゆき役の上白石萌歌や井之脇海の好演も見事だ。

娘は子役の横溝菜帆から上白石萌歌に絶妙なバトンタッチ

 第1章で娘・みゆき役を演じていた横溝菜帆は、仕事はめちゃくちゃできるのに感情表現がうまくできない義母・亜希子(綾瀬)との母娘関係を情感豊かに表現していた。綾瀬の、まるで仕事ロボットのような無表情でぎこちない、滑稽寸前のところで危うく成り立っているギリギリの巧みな演技を、横溝はクリクリとした目を時に伏し目がちに、時に見開き、そのままマンガの一コマになってしまいそうなわかりやすい表情で受けとめていた。綾瀬と横溝との、この表情のピンポンこそが物語の骨格をそのまま伝える要となっていたと言っていいだろう。

 14日放送の第6話から物語は第2章に入り、みゆき役は横溝から上白石萌歌にバトンタッチされた。みゆき役は、主人公・亜希子に次いできわめて重要なポジションだ。これがサッカーなら、リードして折り返したチームは後半に入ってすぐ選手交代をしないのがセオリーだが、ドラマの場合そうはいかない。亜希子の夫でありみゆきの父である良一(竹野内豊)が亡くなり、そこからいきなり10年、話が進んだ。当然、子役の横溝は交代してベンチに下がる。

 その緊張の“選手交代”は、想像以上にスムーズで見事だ。横溝にかわってみゆき役を担った上白石は、綾瀬と表情のピンポンをしていた横溝と、細かな仕草までまるで生き写しのよう。同一人物を演じているのだからそれが当たり前といえば当たり前なのだが、中にはうまくいかずに「子役時代のほうが面白かった」などというケースもなくはない。幼少時からみゆきに思いを寄せる大樹(ひろき)役についても同じことが言える。ぽっちゃり子役の大智から、スリムになったがどこか面影を残すような井之脇へのスイッチがとても自然だ。こうした連係プレーには緻密な演出があるはずで、ディテールがしっかり作り込まれているドラマは演出面全般で完成度が高い。

 そしてもう一つ、第1章で闘病の末に亡くなってしまった竹野内豊演じる良一の存在感がいまだ強く残っているのがドラマをよりあたたかいものにしている。亜希子は事あるごとに、写真立ての中で微笑む良一と良一の前妻・あい(奥山佳恵)に報告や相談をする。ほのぼのとした良一が、いなくなってもなお家の中にいるようで、亜希子とみゆきをいつも見守っているようだ。