[写真]「子どもの自殺対策プロジェクトチーム」の初会合(長野県庁)

 長野県は「子どもの自殺対策プロジェクトチーム」を発足させ21日、県庁で初会合を開きました。同県の未成年者の自殺死亡率は最近、全国平均を上回るなど深刻で、本格的な対策に乗り出す狙い。子どもの自殺防止を重視するとする阿部守一知事を座長に、中・高校職員、児童相談所、関係のNPO、精神科医など専門家ら12人で構成し、2022年に未成年者の自殺ゼロを目指すとしています。

【グラフ】日本における自殺者は8年連続で減少、国際的に突出して高い状況は変わらず

全国平均2.4に対し長野県は4.1

 長野県の未成年者の自殺は2012(平成24)年~2016年の5年間に年間11人~19人を数え、この間の自殺死亡率(10万人対比)は4.1。同じ5年間の全国平均2.4を大きく上回っています。

 このため、県は未成年者の自殺対策が急がれる課題としてチームを設置。(1)自殺のリスクを抱えた未成年者のサインに気付き、支援につなげる「危機介入」のステップを強化する、(2)自殺のリスクを抱える前段階の予防策として「SOSの出し方に関する教育」などに取り組む、(3)自殺のリスクを抱えさせない子どもの居場所づくりなどを進める――との3つの総合的な対策を決めました。

 「SOSの出し方に関する教育」ではモデル校、モデル地域などで試行的に実施し、ノウハウの蓄積や教材の検討にも取り組む方針。保健師やスクールカウンセラーがSOSの出し方に関する教育を担当できるよう研修も行います。教育現場の幅広い理解を進めるための教職員への研修も実施する方針。

 2017年の全国の未成年者の自殺の原因・動機別件数(原因特定者のみ)は「学校問題」34.6%、「健康問題」19.1%、「家族問題」18.6%、「男女問題」9.6%などとなっています。

 厚労省の2017年版「自殺対策白書」によると、国内の自殺死亡率は全体として低下傾向にあるものの、未成年者(20歳未満)の自殺死亡率は1998(平成10)年以降ほぼ横ばい状態。15~34歳の若い世代の死因の第1位も「自殺」で、これは先進7か国で日本だけの現象だとしています。


■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者・編集者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説