2年後に迫った東京五輪を機に、日本でもサマータイム導入が検討されています。その経済的効果やシステム変更で受ける影響が議論の中心になっていますが、実際に一年の大半をサマータイムの時間で過ごすアメリカ人の生活はどのようなものなのでしょう。バケーションシーズンも終わりが近づいてきたニューヨークから、市内ブルックリン在住のライター金子毎子さんの報告です。

8月に行われた地域の星空映画上映会の様子。この日はディズニー映画「リメンバーミー」だったので、たくさんの子どもたちが一時小雨になったにもかかわらず最後まで熱心に鑑賞していた=ニューヨーク市ブルックリンのピアにて

8月初めに安倍首相みずから、2020年の東京五輪の暑さ対策を理由にサマータイム(夏時間:英語はデイライト・セービング)の導入を検討する意向を示して以来、日本でも賛成・反対意見が飛び交い、議論が活発になっています。サマータイムを導入しているEUでは、おりしも存廃について本格的な検討がはじまったとか。

筆者が住む米国では、少なくとも連邦政府レベルでは特にそういう動きはみられず、市民レベルでもすっかりライフスタイルの一環として定着した感があります。が、よくよくみてみると、米国には米国ならではの事情や意見もあるようです。今回は主に一般の人びとがどのようにとらえ、過ごしているのかなど、米国の「サマータイムのある暮らし」をみていきたいと思います。

米国サマータイムのいろは

まず米国のサマータイムを基本的におさらいすると、名称はDaylight Saving Time (DST)で、3月第2日曜日〜11月第1日曜日まで。実はジョージ・W・ブッシュ大統領の任期中の2007年に1カ月拡大されたので、8カ月間あります。学校や会社での混乱を避けるため、日曜日の午前2時にひっそりと標準時間が1時間繰り上げられてサマータイムが始まります。つまり午前3時になるわけです。

米国でも導入には各産業や各州などからの反発があり、紆余曲折があったようです。その辺の歴史や仕組みはTHE PAGEの記事「もはやどちらが標準時間?米国は年間3分の2続くサマータイムがなぜ誕生?」で詳しく説明されています。また、米国やそのほかの地域における実施状況や歴史、議論について、おもしろおかしくまとめられた動画(英語)もおすすめです。

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筆者の場合、日曜日の朝だしちょっとゆっくり……と朝9時に起きたつもりが実際は10時なので、開始の日はそのまま投げやりに怠け者モードでだらだら1日を過ごすパターンが多いです。とはいえ、米国に暮らしてもう20年ほどになりますが、今まで一度もサマータイムに入ることを当日まで知らなくて困った、失敗した、みたいなエピソードはありません。

特に意識していなくても、前日はテレビやネット、日常会話で度々話題にのぼりますし、今や家にある時計のどれか(あるいはほとんど)がインターネットとつながっているわけで、朝起きれば時間も自動調整ずみ。ただ、体はさすがに自動調整してくれませんから、特に子どもなどは、まだ大してお腹も空いていないのに夕ご飯を食べさせられて、これまた大して眠くもないのに寝なさいと言われる日になります。

これとは逆に終わる日には、日曜日の朝にゆっくり起きたつもりが1時間早くてラッキー!となるものの、午後4時半ごろには(少なくとも筆者の住む東海岸では)薄暗くなってきて、大人も子どもがっくり。昨日より1時間も早く公園から引き上げながら、これからいよいよ冬が始まるのだと実感させられ、暗い気持ちになるのでした。