中小企業庁が商店や地域の活性化などに取り組んでいる商店街を全国から選定する2018年の「はばたく商店街30選」に長野県から松本市「中町商店街」と佐久市「岩村田商店街」が選ばれました。インバウンド対応の取り組み、大型店や地域との連携などが評価されました。

●松本市「中町商店街」

[写真]インバウンド促進に取り組んだ松本市の中町商店街

 中町商店街(中町商店街振興組合・127店舗)は城下町松本の「蔵のある町」として電線地中化なども進み、人気のエリア。最近外国人の来訪も増えているため、店の商品やサービスを多言語で店頭で紹介する「店頭サイン」や英語のガイドマップを掲げるなどインバウンドへの対応を本格化。書道、折り紙、けん玉の体験イベントや日本酒、着物、忍者などの文化に触れる日本文化体験デーなどに取り組みました。

 これまでは外国人観光客らが店をのぞいてもどんな商品を扱っているのか分かりにくいこともありましたが、外国語案内の充実で店に入りやすい環境を整えました。

 昨年の日本文化体験デーに参加した外国人は目標の150人を上回る629人を数え、満足度調査では、回答した138人全員が「満足した」と答えました。今後は商店街での回遊性を高めることなどが課題だとしています。

●佐久市「岩村田商店街」

[写真]飲食業の起業を目指す佐久市・岩村田商店街の複合商業施設「こてさんね」

 岩村田商店街(岩村田本町商店街振興組合・61店舗)は地域や大型店などと連携した商店街づくりが評価されました。地域密着型だった同商店街は、全国展開の店の進出で、魅力ある商店づくりが課題に。同時に店主の高齢化、後継者不在の店が増え、一時は将来閉店を余儀なくされる店舗が7割近くになりました。

 このため「街があるから商店街がある」という発想に立って地域と共存する商店街・街づくりを進め、2002(平成14)年からコミュニティスペース「おいでなん処」や総菜専門店「本町おかず市場」、起業家支援のチャレンジショップ「本町手仕事村」などを開設。2014(平成26)年には、飲食業の起業を目指す複合商業施設「こてさんね」を新たに設けました。

 大型店を集客の要素の一つととらえ、大型店のカードと連携して商店街のポイントも同じカードで貯めることができる独自のカードを開発。買い物で小銭を持ち歩く煩わしさの解消を目指しました。カードは昨年時点で約2万5000枚発行。さらに拡大を目指すとしています。


■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者・編集者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説