総務省が来年から中古スマホにも「SIMロック解除」を義務付ける方針を打ち出しています。中古スマホの流通を活性化することで格安SIMと呼ばれる割安なサービスへの移行を促し、通信料金を引き下げようという試みですが、果たしてうまくいくのでしょうか。

写真:アフロ

 諸外国ではスマホ本体の購入と通信サービスの契約は別々という概念が強く、必ずしもスマホ本体と通信サービスが一体となっているわけではありません。つまり、各自が好みのスマホを買い、複数の通信会社の中から、自分に合ったプランを選び出し、そのSIMを自分のスマホに入れて使います。別のスマホが欲しくなった場合には、新しいスマホを購入して、SIMを入れ替えるだけですぐに使えるようになります。

 しかし日本の場合、通信会社経由で購入したスマホでなければサービスを受けられないようにするという仕組みが主流だったため、スマホと通信サービスが事実上、一体となっていました(これをSIMロックと呼びます)。こうした商習慣が利用者の選択肢を狭めているとして批判が高まり、現在では通信会社各社は、購入から一定期間経過後にSIMロックの解除に応じるようになっています。

 しかし中古品についてははっきりとしたルールが定められておらず、SIMロックを解除できない状態が続いていました。総務省の有識者会議では、中古スマホについても解除に応じるべきという見解が示されており、これを受けて総務省が義務化に乗り出したわけです。2019年7月から中古についてもSIMロックの解除が可能となる見通しです。

 中古スマホを他社のSIMで利用したかった人には朗報ですが、これがすぐに通信料金の引き下げにつながるかは微妙なところです。

 中古スマホ市場は新品と比較して20分の1ほどの規模しかなく、当面はSIMロックが解除されても全体への効果は限定的です。今回のSIMロック解除をきっかけに中古市場が拡大していけば、それに伴って格安SIMに乗り換える利用者が増え、価格の引き下げにつながる可能性もありますが、ある程度の時間が必要でしょう。

 日本の場合、格安SIMの存在そのものがあまり知られていません。格安SIMに乗り換えれば、月々の通信料を半額や3分の1にすることも可能ですが、競争を促進させたいのであれば、このあたりのメリットを広く告知していく必要もありそうです。

(The Capital Tribune Japan)